【YouTube企画】八木裕×桧山進次郎「代打の神様」対談

八木・桧山の記憶に残る「神の一振り」 慌てて打ったら代打逆転満塁ホームラン!

前田恵

桧山進次郎の「神代打」第3位

2007年9月7日の巨人戦で上原浩治から決勝ホームランを放った桧山進次郎 【写真は共同】

桧山 僕の3位は2007年9月7日、東京ドームでジャイアンツの上原浩治投手から打った一打です。
 その頃、上原投手はもう先発から抑えに転向していたんですね。結果からいうと、乱打戦になって9対8でタイガースが勝った試合。8回までジャイアンツがホームラン7本で8点を取り、タイガースはタイムリーヒットや四死球で8点。同点の9回表、上原がマウンドに上がりました。そこへ僕が代打で行って、彼のフォークボールをライトスタンドに打ったんです。ちょっと泳ぎながら、右手1本で。それがあの日唯一のタイガースのホームランで、決勝打になりました。
 でも、今だに上原投手からは認めてもらっていないんです。彼と話をすると必ずその話題になるんだけど、「片手で打ったから、あれはホームランとして認めない」って(笑)。だから余計、思い出深いです。

八木 片手で打ったホームラン、こんな感じだろうなっていうイメージがすごく湧いてくるわ〜(笑)。

桧山 あの試合、タイガース唯一のホームランだったこともあって、自分の中でもなんだかインパクトがありました。

 第3位でもこれだけドラマのある、神の一打。第2位、第1位はいかに……!? その他、代打の神様の2人が選ぶ「対戦して燃えた投手ベスト5」や「阪神タイガース歴代ベストナイン」の発表も! そちらの模様はぜひスポナビ公式YouTubeにてご覧いただきたい!!

(企画構成/株式会社スリーライト)

八木裕(やぎ・ひろし)

 1965年6月8日生まれ。岡山県出身。岡山東商業高校を卒業後、三菱自動車水島を経て、86年ドラフト3位で阪神タイガースに入団。掛布2世と呼ばれ、90年にキャリアハイの28本塁打を放ち、3年連続20本塁打以上を記録。93年以降は、代打としての適性の高さを遺憾なく発揮し、97年には代打率4割、98年には開幕からしばらく代打率5割以上をマーク。ここ一番の場面で登場する代打の切り札となり、「代打の神様」と呼ばれる存在になった。2004年に現役を引退。その後、野球解説者を経て、09年から15年まで阪神二軍打撃コーチを務め、12年は二軍の育成チーフコーチを兼務。現在は野球評論家としてメディアで幅広く活躍。

桧山進次郎(ひやま・しんじろう)

 1969年7月1日生まれ。京都府出身。平安高校、東洋大学を経て、91年ドラフト4位で阪神タイガースに入団。中軸打者として2003年、05年のリーグ優勝に貢献。現役生活の晩年は八木裕氏に次ぐ「代打の神様」として、多くの阪神ファンに愛された。代打通算158安打、14本塁打、111打点はいずれも球団記録(安打・打点はプロ野球歴代2位)。13年に現役を引退。現在は野球解説者・スポーツコメンテーターとして、ABCテレビ「おはよう朝日です」「キャスト」などに出演中。

2/2ページ

著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント