八木・桧山の記憶に残る「神の一振り」 慌てて打ったら代打逆転満塁ホームラン!
「代打の神様」と呼ばれた八木裕(中央)と桧山進次郎(右)に、それぞれ思い出の「神代打」を選んでもらった 【写真は共同】
そんな想いや覚悟の中で放った、神の一振り。スポナビYouTubeでは、2人が選ぶ「思い出の神代打ベスト3」がそれぞれ語られる。
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八木裕の「神代打」第3位
2002年7月30日の横浜戦で代打逆転満塁ホームランを放った八木裕(右) 【写真は共同】
八木 私は、悪かったことはあまり覚えていないんですよ。いいことだけ覚えている。これ、大事だと思うんです。よく「失敗したことを忘れず、悔しさを次へのモチベーションに変える」と言う人がいるけど、私は良かったことを覚えていて、プラスに考えていくほうがいいと思っているから。
桧山 僕も覚えているというか、物事を全部ポジティブに考えるようにしていたから、そういう一打は記憶に残っています。「いいシチュエーションで1本打てれば、もう1カ月ぐらい打てなくてもいいや」くらいの気持ちでいよう、と思っていたんですよ。その“1本”が相当なインパクトをみなさんに与えているはずだ、と。そんなふうに考えていないと、ほとんどが失敗の連続なので、毎日生活ができなかったです。
八木 その“1本”の余韻でしばらく生きていくわけやな。
――では八木さん、ベスト3の第3位から発表をお願いします!
八木 2002年7月30日の横浜戦、井川(慶=投手)の代打で打った、現役最後のホームランですね。0対2のビハインドで迎えた6回裏、二死満塁の場面。そこで、ピッチャーが福盛(和男)から横山(道哉)に代わった。満塁なので、そう簡単に甘いボールは来ない、きわどいコースを突いてくるだろうなと思って初球を待っていたら……あまり打つ気はなかったんだけど、ど真ん中真っすぐに来たの。それで慌てて打ったら、たまたま代打逆転満塁ホームランになったという(笑)。
桧山 いやいや、そんな(笑)。
八木 若干詰まって、差し込まれた感じになった。でも最後のホームランでもあるしね。「打つ気がなくてもホームランって打てるもんなんやな」と思った一打だった(笑)。
桧山 無欲の逆転満塁ホームランですね。
八木 そう、無欲。「自然にバットが出た」というヤツだね。そして井川に勝ち星も付けた、というね。で、ひー(桧山)の3位は?
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