【WEリーグ開幕】INAC神戸vs大宮V 田中美南×有吉佐織「初○○に注目!」

早草紀子

前チーム時代から親交が深いINAC神戸の田中美南と大宮Vの有吉佐織。両チームによる開幕マッチは9月12日10時にキックオフされる 【スポーツナビ】

 国内初のサッカー女子プロリーグ「WEリーグ」が9月12日にいよいよ開幕する。開幕日にどのカードにも先駆けてキックオフされるのが、強豪・INAC神戸レオネッサと新規チーム・大宮アルディージャVENTUSの一戦だ。新たな時代の幕開けを記念し、日テレ・ベレーザ時代のチームメートで親友の田中美南(INAC神戸)と有吉佐織(大宮V)の特別対談が実現した。

「ミナは、対戦するとなると一番嫌なFW」(有吉)

東京五輪で2ゴールをマークした田中。ドイツ移籍を経て、抜け目のない動きに磨きがかかり、さらに危険なFWに 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

――いよいよ9月12日に2021-22 Yogibo WEリーグが開幕します。おふたりは日テレ・ベレーザ(現日テレ・東京ヴェルディベレーザ)時代から仲が良いですよね。

有吉 普通に超友達だよね(笑)。

田中 だよね!!

有吉 ミナは、ピッチでは頼もしいし、カッコいいんだけど、オフはかわいらしい一面とか子供っぽい一面があって、デレデレしたり、甘えてきたりします(笑)。

田中 え〜、私、甘えてます?

有吉 ピッチ上とはギャップがあるんだよね。おちゃめだし、アホだし。

田中 それ、そっくりそのままアリさんに返すわ(笑)。

有吉 要は、気が合うっていうこと。

田中 そう言ってもらえて、うれしいです。

――ピッチ上でのお互いの印象はどうですか?

有吉 ミナとはマッチアップしたくないですね。DFを背負った状態からターンしてシュートまで持ち込むのがうまいし、スピードもあるから、シュートまでの流れも速い。足を出しても、股を抜かれるし。だから、対戦したときはいつも悩まされます。これまでは味方だったから頼もしかったけど、いざ対戦するとなると一番嫌なFWですね。

田中 アリさんは、ピッチではチームのメンタル面を支えてくれる存在です。ディフェンスラインのまとめ役で、前線にもプラスの声掛けをしてくれるから、自分たちは気持ち良くサッカーができます。プレー面では、オーバーラップして駆け上がるタイプではないけれど、足元がめっちゃうまいし、中に切れ込んだり、中に抜いて縦を刺すのもうまいから、対峙するのが嫌ですね。

――田中選手は成長するためにベレーザからINAC神戸レオネッサ、さらにはドイツのレバークーゼンにも移籍しました。そうした田中選手の選択を、有吉選手はどう見ていたんですか?

有吉 ミナが大変だった時期も同じチームで見ていたし、ミナが得点王やMVPに輝きながら、それでも現状に満足せずに上を目指す姿とか、キャプテンとしてベレーザを引っ張っていく姿を見て、みんなが付いていったと思います。

「アリさんはチームの輪の中心になれる人」(田中)

大学卒業後から11シーズン過ごしたベレーザから大宮Vに移籍した有吉。キャプテンとして新規参入チームをまとめる 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

――有吉選手はWEリーグ開幕を控えて、新規チームである大宮アルディージャVENTUSに移籍しました。

田中 ベレーザ時代は自分より年上の選手自体が少なかったし、その中でアリさんがいろいろな思いを背負ってプレーしているのも感じていました。だからアリさんには、新チームでシンプルにサッカーを楽しんでほしい。もちろん、新チームだからこその難しさもあると思うんですけど、アリさんはチームの輪の中心になれる人。自分が新チームに加わるんだったら、アリさんはいてほしい存在。アリさん、今、サッカーを楽しめていますか?

有吉 ありがとう! 楽しめてる!

田中 良かった(笑)。それなら、いい決断でしたね。

――プロリーグが誕生すると聞いたとき、おふたりはどう思いましたか?

有吉 2011年の女子ワールドカップ(W杯)での優勝がプロリーグ誕生につながっていると思うので、当時の人たちに感謝というか、先輩たちの顔が浮かびました。

田中 最初に聞いたときは「すごい!」と思いました。やっぱりプロサッカー選手という職業に憧れていたので、シンプルにうれしかったです。

――いよいよ開幕を迎えます。今の気持ちは?

有吉 自分たちはゼロから始まったチームなので、開幕までの7カ月間はあっと言う間でしたね。実際にどれだけ積み上げられたかは分からないですけど、実績や伝統のあるチームに対してどれだけやれるのか楽しみです。

田中 私は(レバークーゼンに期限付き移籍をして)半年間いなかったから、あっと言う間でしたけど、チームメートは長かったと感じていると思います。チーム状態に関しては、やっぱり試合を重ねるごとに成熟していくものだと思うので、「ようやく開幕だ!」っていう感じです(笑)。

――新規のチームと既存のチームでは、感じ方が異なりますね。

有吉 全然違うと思います。新規チームの場合、時間はいくらあっても足りないです(笑)。INAC神戸はプレシーズンマッチの調子が良かったじゃないですか。だからそのあと、モチベーション下がってないかなって。

田中 7カ月待ってようやく開幕なのに、下がるわけないじゃないですか(笑)。

有吉 一回ピークが来て、そのあと下がったりしない?

田中 それはない!

有吉 そっか、つけ込む隙がなくなった(苦笑)。

――それぞれのチームの魅力を教えてください。

有吉 うちのチームはすっごく明るいです!!

田中 それ、ズルくないですか(笑)。

有吉 キャプテン(※有吉がキャプテン)を筆頭に明るいです(笑)。

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著者プロフィール

東京工芸短大写真技術科卒業。1993年よりJリーグ撮影を開始。1996年から日本女子サッカーリーグのオフィシャルカメラマンとなる。以降、サッカー専門誌で培った経験を武器に、サッカー撮影にどっぷり浸かる。現在はJリーグ・大宮アルディージャのオフィシャルフォトブラファーであり、日本サッカー協会オフィシャルウェブサイトでは女子サッカー連載コラムを担当している

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