東京五輪で“ランニングデート”再び!? 相澤晃×伊藤達彦スペシャル対談(後編)
相澤(上)と伊藤の対談は7月上旬にオンライン上で実施。終始、和やかな雰囲気で仲の良さが伺えた 【スリーライト】
伊藤達彦の驚異的な回復力
相澤 旭化成はニューイヤー駅伝に向けた部内競走が熾烈(しれつ)で、メンバー入りを巡って選手がバチバチと火花を散らしています。そこに向けた練習はハイレベルで、さらに日本選手権の疲労が残っていたこともあって、僕はついていくだけで精いっぱい。それで故障してしまいました。
伊藤 僕も日本選手権の疲労があって、調子がなかなか上がってこなかった。レース本番になれば走ることができるかなと思っていたのですが、4区のラスト3kmで脚が痛くなってしまって……。でも、このタイミングで故障が発覚し、立ち直ることができたのは不幸中の幸いでした。そのままの状態で走り続けていたら、21年5月の日本選手権を迎える直前に故障していたかもしれないですから。
──相澤選手はどのようなプランで今夏の東京五輪に合わせようと考えていましたか?
相澤 故障が完治した時点で東京五輪まで半年近くあったので、焦る必要はなかったです。調子を取り戻すまで、約3〜4カ月はかかります。1〜3月はしっかりと基礎を固めて、ケガのリスクを回避できるトレーニングを重点的に行いました。そこからレースを重ね、本番にピークを持っていこうと考えました。
──東京五輪参加標準記録(27分28秒00)を突破していた伊藤選手は、21年5月3日の日本選手権10000mで「3位以内」に入ることが東京五輪代表内定の条件でした。
伊藤 故障がなかなか完治しなくて、何度もMRI検査を受けました。1〜2月は補強、プール、バイクなど、走らないメニューを中心に行い、3月上旬になってようやくジョグを始めることができました。ここから日本選手権まで2カ月しかありません。最初にポイント練習(※)をやったとき、意外と楽に走ることができたのは、自分でも驚きましたね。
※走力を向上させるために行う、強度が高い練習のこと。
──伊藤選手はポイント練習を3回ほどこなしただけで、4月10日の金栗記念選抜陸上中長距離大会5000mを13分45秒12で走りました。
相澤 伊藤選手の状態は聞いていましたが、回復力に驚かされました。僕には絶対に無理です。真似できません。
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