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愛知の覇権を争ってきた私学4強の盛衰史
近年低迷が続いていた享栄にも復活の兆し

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80年代後半から低迷期に突入した中京大中京だが、その後復活。堂林(写真左から3番目)らを擁した09年には、43年ぶりに夏の甲子園優勝を飾った
80年代後半から低迷期に突入した中京大中京だが、その後復活。堂林(写真左から3番目)らを擁した09年には、43年ぶりに夏の甲子園優勝を飾った【写真は共同】

 超激戦区・愛知でしのぎを削ってきたのが「私学4強」だ。中京大中京、東邦、愛工大名電、そして享栄。長く低迷が続いていた享栄に復活の兆しが見えることもあり、今夏の愛知大会ではこの4強の争いに近年になく注目が集まっているようだ。愛知の高校野球を牽引してきた4校が、これまでにどんな歴史を歩んできたか改めて振り返る。

低迷期を乗り越え、安定した戦績を残す中京大中京

 全国でも屈指の激戦区として知られる愛知県。7月3日に開幕した今年の夏の大会も全国49地区で最多の179チーム(186校)によって争われているが、長年この県をリードしてきたのが中京大中京、東邦、愛工大名電、享栄の「私学4強」である。4校それぞれの春夏合わせた甲子園出場回数を見ると、中京大中京60回(中止となった2020年春を含む)、東邦47回、愛工大名電21回、享栄19回と県内の他校を寄せつけない数字であり、享栄以外の3校は甲子園優勝も成し遂げている。愛知の高校野球は、ライバル関係にあるこの4校が競い合いながら盛り立ててきたと言える。


 4校の中でもナンバーワンの歴史と実績を誇るのが中京大中京だ。甲子園優勝回数11回(春4回、夏7回)、通算勝利数136勝(春58勝、夏78勝)はいずれも全国トップ。甲子園春夏連覇と夏春連覇の両方を達成しているのも中京大中京だけであり、1931年からの夏の甲子園3連覇はいまだ破られていない大記録である。


 しかしそんな中京大中京も、なかなか勝てない時期があった。80年代前半は野中徹博(元阪急)、紀藤真琴(元広島)の両投手を擁し、全国でもトップクラスの力を誇っていたが、88年春の甲子園出場を最後に低迷期が訪れる。94年の夏には、愛知大会の2回戦(中京大中京にとっての初戦)で県立の進学校である岡崎に完封負け。この結果は地元スポーツ紙の一面も飾り、大きな衝撃を与えた。当時、監督に就任して間もなかった大藤敏行元監督にこの試合について聞いたことがあるが、責任をとって退任することも考えたと話していた。


 低迷期を脱するきっかけとなったのが97年春だ。9年ぶりに甲子園出場を果たすと、安定した戦いぶりで全国の強豪に次々と競り勝って準優勝。ちなみにこの時に主将としてプレーしていたのが、現在監督を務める高橋源一郎である。その後は完全に甲子園常連校に返り咲いてコンスタントに上位進出を果たすようになり、2009年には堂林翔太(現・広島)らを擁して実に43年ぶりとなる夏の甲子園優勝を成し遂げた。翌年に大藤監督が退任し、後任には高橋監督が就いたが、19年秋には高橋宏斗(現・中日)を擁して明治神宮大会で優勝。今年の春も甲子園でベスト4に進出するなど、安定した成績を残している。

西尾典文
西尾典文

1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などをテーマに野球専門誌に寄稿を開始。修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる

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