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海堀あゆみが語る、伝説のPK戦と現在
「残った足を伸ばしたら当たってくれて…」

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アメリカの1人目、ボックスの放ったシュートを体勢を崩しながらも残った右足でセーブしたシーンは語り草だ
アメリカの1人目、ボックスの放ったシュートを体勢を崩しながらも残った右足でセーブしたシーンは語り草だ【Gettyimages】

 2011年7月17日、ドイツ・フランクフルトで行われたFIFA女子ワールドカップ決勝、なでしこジャパン対アメリカの一戦は120分間を戦っても決着せず、勝負の行方はPK戦へと委ねられた。そのPK戦で相手のキック2本をストップするなど、同試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出され優勝の立役者となったのがGK海堀あゆみだった。


 とくにアメリカの1人目、ボックスの放ったシュートを体勢を崩しながらも残った右足でセーブしたシーンは語り草だ。


 あれから10年――。現在は引退し、佐賀県みやき町のスポーツ政策ディレクターを務めるなど地域振興や女子サッカーの普及などに携わっている海堀。現役時代はGKというポジション柄多くの注目を集めることはなかったが、世界一に輝いたという事実は彼女の中にどう残っているのだろうか。

刺激的だったフランクフルトでの決勝

海堀あゆみはフランクフルトでのスタジアムの雰囲気がとくに印象的だったと振り返る
海堀あゆみはフランクフルトでのスタジアムの雰囲気がとくに印象的だったと振り返る【栗原正夫】

 現役時代は日々の忙しさもあって当時を振り返る余裕などはなかったという。10年が経った今、ドイツW杯のどんなシーンが印象に残っているのかは気になる。


「一番は(フランクフルトでの)決勝のスタジアムの雰囲気ですね。サッカーが文化として根付いている国で、スタジアムは約5万人の観衆でいっぱいでした。空気感がよくて刺激的だったというかW杯や五輪で多くの試合を経験しましたけど、あのときの雰囲気はそのどれとも違いました。開催国のドイツがすでに敗退していたものの、スタンドで観ていた方も試合に入り込んでいたようでスタジアム全体が一体感に包まれていた感じで……。現役をやめた今は、もうあんな刺激的なことは体験できないんだろうな、なんて思ったりしています」


 延長戦を含め120分を戦ったアメリカとの決勝は2-2で決着せず、その後のPK戦が海堀の最大の見せ場となった。


「PK戦になったときは、目の前のことに必死で何も考えてなかったですね。(アメリカは準々決勝のブラジル戦もPK戦で勝ち上がってきており)事前に映像は見ていましたが、私はどちらかといえば直感を信じる方なので、どの選手がどの方向に蹴っていたかなどの情報はほとんど頭に入れてなかったです。だって、本当にデータ通りに蹴ってくれるかはわからないじゃないですか(苦笑)。ただ(120分間に)2度もリードしながらも勝ちきれなかった状況を考えれば、PK戦に限っては流れ的にも精神的にもアメリカの方がキツかったと思います。そういう意味で、私自身はそうでもなかったですが、チームとしては気楽というわけではないにしてもチャレンジャーとして思いっきり向かっていけた部分はあったのかもしれません」

栗原正夫

1974年生まれ。大学卒業後、映像、ITメディアでスポーツにかかわり、フリーランスに。サッカーほか、国内外問わずスポーツ関連のインタビューやレポート記事を週刊誌、スポーツ誌、WEBなどに寄稿。サッカーW杯は98年から、欧州選手権は2000年から、夏季五輪は04年から、すべて現地観戦、取材。これまでに約60カ国を取材で訪問している

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