主将の心得とは?石川雄洋から佐野恵太へ 横浜DeNA「新旧キャプテン」特別対談
経験者だからこそ言えるメッセージ
自身がキャプテンを務めたシーズンはチームも低迷しつらかったという石川さん。その経験をチームの成長の糧とすべく、後輩に伝えたいこととは 【(C)YDB】
佐野 最近はそれができていなくて……。今年のここまでの戦い、「自分が打たなきゃ」「打たなきゃ」と思って、それが焦りにつながっているところはすごくあったので。桑原(将志)さんに助けてもらってばかり……。
石川 それが良くないんじゃないの?(笑)
佐野 それなんですかね(笑)、自分を殺してしまっているっていうか……。
石川 やっぱり佐野らしくやった方がいいよ。(試合)中継をたまに見ると、「佐野、めっちゃキツイんだろうな」って思うよ。だけど、「いい経験をしている」ってそう思ったらいいやん。
佐野 もちろん、こんな経験、みんながみんなできることじゃないんで。
石川 勝てないときだからこそできる主要メンバーの中の会話があると思うんだよね。みんな勝ちたいわけだから、「どうやったら勝てるのか」から始まって、「ヒットを打てなくても、一つ先の塁を狙っていこう」だとか「チームのためになるプレーをしていこう」だとか、意見を出し合って実践していけばいいと思う。結局、勝ってるときも話はするけど、そんな深い話はしないんだから。逆に、チームのことについて意見を出し合ういい時期だと思うよ。
佐野 そうですね。最初は、負けてズルズルいってたんです。でも、途中からはズルズルいくのではなくて、試合後にその日の反省を明確にして、そこをつぶして、「次の試合! 次の試合!」っていうのができてきているとは思いながら……。でもなかなかチームとして噛み合わなくて勝ててないなっていう思いもあり……。
調子が上向きのチームを佐野キャプテン(写真左)が引っ張り、巻き返しを狙う 【(C)YDB】
佐野 いつか、「いい経験をしたな」って、思える日が来るんですかね。タケ(石川)さん、(キャプテンをやった)3年間ともきつかったですか?
石川 2年間はきつかった。3年目は少し手ごたえを感じて、それから2年後、ラミちゃん(ラミレス前監督)に変わってすぐにクライマックスシリーズにいけた。だから、そういう時期ってあるんだよ。
佐野 勝つことで報われるというか。
石川 そうよ、どんな形であれ、勝ったらオッケー。でも、勝っても自分が結果を出さなかったらクビになる可能性はある。だから、キャプテンとして、チームのことを考えていかなきゃいけないけど、チームのことを考えすぎるのも良くない。チーム60%、自分40%ぐらいで考えるのがいいと思う。それがチーム90%、自分10%になったりしたら、自分の野球じゃなくなっちゃうし。自分の野球人生じゃなくなっちゃうから、自分自身の野球も楽しんでやった方がいいよ。
(ここで佐野選手の電波状況が悪くなり一時途切れるアクシデントに見舞われる……)
石川 せっかく俺がいい話したのに!(笑)
佐野 すみません! 全部聞こえてました。いい話をありがとうございました!
(企画構成:株式会社スリーライト)
※リンク先は外部サイトの場合があります