Bリーグ“チャンピオンシップ男”10選 過去3回のCSで活躍した選手たちは?

 レギュラーシーズン以上に激しい戦いとなるチャンピオンシップ(CS)は一瞬も気を抜くことができないプレーを強いられる。それだけにテクニックだけでなく、精神的にも強い選手が活躍してきた。ここではこれまで行われた3回のCSで記憶に残っている、活躍した選手を10人ピックアップし、当時のパフォーマンスとその理由を解説。では『CS男』を見ていこう。

古川孝敏「初代BリーグファイナルMVP」

古川孝敏はBリーグ最初のファイナルで21得点を挙げる活躍を見せ、初代MVPに輝いた 【(C)B.LEAGUE】

 Bリーグ初年度、2016−17シーズンのファイナルMVP。アイシンシーホース(現・シーホース三河)時代に当時のJBLや天皇杯で優勝の経験がある古川孝敏は、栃木(現・宇都宮)ブレックスでの4シーズン目となったBリーグ初年度もリーグトップクラスのシューターとしてチームの主軸の一角を担い、東地区王者として臨んだCSでも安定した活躍を披露。川崎ブレイブサンダースとのファイナルでは3ポイントシュート3本を含む21得点を叩き出し、栃木をBリーグ初代王者に導いた。

 翌2017−18シーズン、その実力と豊富な経験を買われて琉球ゴールデンキングスに移籍すると、ここでも不動のスターターとして2シーズン連続西地区優勝に大きく貢献。2017−18シーズンのクォーターファイナルでは5分ハーフの特別ルールで行われた第3戦でチームの全17得点のうち8得点を挙げ、翌2018−19シーズンには26得点を稼いだ試合もあった。

 過去3度のCSは、特別ルールの第3戦を含む17試合すべてにスターターとして出場。強豪チームを渡り歩き、勝者のメンタリティーを持つ古川は、黙々と自身の役割を遂行するスタイルに野武士のような風貌も相まって、CSのような“ここぞ”という大舞台で頼れる“仕事人”のオーラを身にまとう。秋田ノーザンハピネッツで2シーズン目となる今シーズンは初めてCS出場を逃す結果となってしまったが、その悔しさと初代ファイナルMVPとしてのプライドを胸に、来シーズンはCSの晴れ舞台に返り咲くことを期待したい。

田中大貴「CSを通して真のエースへ成長」

初のリーグ制覇に導いた田中大貴はCSでの厳しい戦いを通して真のエースに成長 【(C)B.LEAGUE】

 アルバルク東京のエースとしての期待を一身に受け、その名に恥じない活躍を見せていたが、チームのBリーグ初年度はCSセミファイナル敗退に終わり、エースとして最も重要な「チームを勝利に導く」という役目は果たせなかった。その田中大貴が翌2017−18シーズン、A東京のリーグ制覇における功績を評価され、ファイナルMVPに輝くことになる。

 このシーズンのCSでA東京はクォーターファイナルの京都ハンナリーズ戦とセミファイナルのシーホース三河戦をいずれも連勝しているが、すべて点差は1ケタだった。その中で田中は、京都との第1戦はアレックス・カークと並ぶゲームハイの19得点。第2戦はわずか4得点ながら、やはりゲームハイとなる6アシストでチームメートの得点をお膳立てする役割に回った。さらに三河との第1戦も得点が9点にとどまる一方で、これもゲームハイの7アシスト。そして、延長の末に2点差で制した第2戦はゲームハイの26得点をマークした。全試合において得点とアシストのいずれかでゲームハイの数字を記録したことは、田中が状況に応じた支配力を備えたことを意味する。

 千葉ジェッツとのファイナルは、そんな田中の持ち味が余すところなく発揮された。この試合でゲームハイとなったのは5本を記録したアシストだが、一方で得点も15点と2ケタに乗せ、その活躍で勢いづいたA東京は東地区優勝を果たした千葉を圧倒。選ばれるべくして選ばれたファイナルMVPであり、「チームを勝利に導く」正真正銘のエースになった瞬間だった。

馬場雄大「CSでの活躍を経て、海外へ飛躍を遂げる」

アルバルク東京の連覇に貢献した馬場雄大。舞台が大きくなればなるほど活躍するメンタルを持つ 【(C)B.LEAGUE】

 A東京が連覇を目指した2018−19シーズン、その終盤にコンディション不良に陥って本来のパフォーマンスが発揮できずにいた田中に代わり、CSでA東京を引っ張ったのが馬場雄大だ。前シーズンに大学最後の1年をスキップしてプロの世界に飛び込み、新人王を受賞する活躍でA東京のBリーグ初制覇に貢献。そのプレーにさらに磨きがかかった2シーズン目は、馬場の存在なくしてA東京の連覇もなかったと言っていい。
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