スポーツナビ公式YouTubeチャンネルの特別企画として、赤星憲広氏と井端弘和氏の初対談が実現した。2000年代プロ野球の中心選手としてしのぎを削り合った二人が、「監督」をテーマに名将たちとの知られざるエピソードを惜しみなく披露。そして亜細亜大学の1学年差の先輩・後輩として、当時の思い出話にも花を咲かせた。濃密な90分を、全9回に分けてお届け！（12月の毎週火曜・金曜に公開）

　第1回は、大学時代からプロ入りまでの道程を振り返りながら、後輩の赤星氏が当時の井端氏の印象を赤裸々に語った。

　なお本記事は、動画では編集の都合で割愛されたトークも含めた完全版として掲載する。

赤星　今回はスポーツナビのYouTube企画で対談することになりましたが、こうやって2人で対談するのって、今までないですよね？

井端　初めてでしょ。現役の時もグラウンドレベルではそんなに長くは話さないしね。

赤星　井端さんがジャイアンツのコーチになられた時にグラウンドで話す機会はありましたけど。

井端　その頃にグラウンドで20分、30分話したけど、それ以来じゃない？

赤星　そうですよね。だから今日はすごく楽しみなんですけど、今回はYouTubeじゃないですか。なんか井端さんのYouTubeがすごく人気があるって聞きましたけど！

井端　いやあ、そんなに……上には上がいるんでね。

赤星　どこ目指してるんですか!?（笑）

井端　ガッツリの人もいますけど、僕はガッツリ派じゃないんで（苦笑）。自分のスタイルを貫き通して、あんまり力を入れすぎないようにね。

赤星　でも、すみません。僕、井端さんのYouTube、一度も見たことがなくて……。

井端　大丈夫、大丈夫！ 見なくても、チャンネル登録さえしてくれればいいんで（笑）。見なくてもいいから、寝る前に再生ボタンを押しといてもらえたらいいんで（笑）

赤星　（笑）。ということで、僕はあんまりYouTubeが分からないんで、その辺も井端さんが先輩なので、よろしくお願いします。

井端　でもYouTubeだからといって「何か言ってやろう！」って思うと、結構それが失敗するんで……。

赤星　ワハハハハ（笑）

井端　「これを言ってやろう」とずっと思ってたことを言っても、大した話にならないんだよ（苦笑）。だからリラックスして、普段通りに話すのがちょうどいいと思うよ。

赤星　なるほど（笑）。じゃあ、そこは井端さんの感覚、ペースに合わせます。

赤星　ということで、僕と井端さんの関係なんですけど、たぶん見てくださっている方は分かっているとは思うんですけど、亜細亜大学時代の先輩、後輩になります。井端さんが僕の一つ上の先輩ということで。

井端　そうなんだよね。全然怖くなかったでしょ？

赤星　いや……？

井端　えっ!?

赤星　ハハハハ（苦笑）

井端　いや、別に何かするわけじゃなかったよね？

赤星　そうなんですよ。何かをする怖さじゃないんです。先輩にもいろいろな方がいるじゃないですか。例えば、後輩に対して厳しく接する方、強く言う先輩もいる。でも、井端さんって何も言わなかったじゃないですか。

井端　だからいいんじゃないの？

赤星　いやいや、逆にそれが怖いんですよ。僕はどちらかというと一緒に試合に出させてもらっていたから、まだ井端さんと会話することはあったので、僕はそんなに怖いイメージはなかったんですよ。

井端　そうでしょ？

赤星　ただ、僕の同級生とかは「井端さん、全然喋ってくれないから怖い」って言っていましたよ。

井端　何もしない、何も言わないのが後輩にとって一番良いと思っていたから。いろいろワーワー言う人って、結構面倒くさいなって思っていたからね。

赤星　でも、僕の同級生とか後輩からすると、「何も言わない井端さんが一番怖い」って言っていましたよ。

井端　いや、本当、何も怖いことはしてないんだけどなぁ……。同じ部屋の奴とゲームしかやってないからね。