羽生結弦、4回転アクセルへの決意「今はそのために生きていると思う」

野口美恵
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世界最高クオリティーのトリプルアクセル誕生

スケートカナダで24歳シーズンを本格的にスタートさせる羽生結弦。先のオータムクラシックでは、トリプルアクセルに手応えをつかんだ 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 五輪2連覇を達成しながらも、飽くなき挑戦を続ける羽生結弦。10月25日(日本時間26日)から行われるGP(グランプリ)シリーズ・スケートカナダで、24歳のシーズンが本格的に開幕する。今季、彼の心のなかには、いかなる炎が燃えているのだろうか。

 初戦となった9月のオータムクラシックでは、ループ、サルコウ、トウループと3種類の4回転を入れるプログラムに挑み、連覇を飾った。もちろん彼の狙いは、成績よりも、自分自身の感覚を確認すること。会見で羽生が語った、一番の手応えはトリプルアクセルだった。

「本当に満足のいくトリプルアクセルを初めて試合の中で、この入り方で跳べました。ツイズルからトリプルアクセルを跳んで、着地後もツイズルするというものです。そこがすごく良かったです」
 羽生にとって、トリプルアクセルは得意技。これまでも高評価を得てきたジャンプだが、本当に満足いく出来だったという。実は昨季のオータムクラシックでも、同様にツイズルから入る踏み切りを取り入れている。

「この『ORIGIN』という曲には、ツイズルからの入り方が一番合っていると思います。ひと味違った入り方になっているので、どうしてもやりたかったんです」

 ところが、思ったほど高い評価が出なかった。
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著者プロフィール

元毎日新聞記者、スポーツライター。自らのフィギュアスケート経験と審判資格をもとに、ルールや技術に正確な記事を執筆。日本オリンピック委員会広報部ライターとして、バンクーバー五輪を取材した。「Number」、「AERA」、「World Figure Skating」などに寄稿。最新著書は、“絶対王者”羽生結弦が7年にわたって築き上げてきた究極のメソッドと試行錯誤のプロセスが綴られた『羽生結弦 王者のメソッド』(文藝春秋)。

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