視察制限され「腹くくった」スカウト活動 雰囲気を大事に…探す未来の“ミスター”
10月27日、前日のドラフト会議で1位指名をした亜細亜大・平内龍太選手を視察に訪れた巨人のスカウト陣。例年と異なる特殊なシーズンを過ごした 【撮影:竹内友尉】
読売巨人軍でスカウトを務める脇谷亮太さんは、チームがドラフト1位で指名した亜細亜大の平内龍太投手を担当。運命の日から一夜明け、東都大学リーグで躍動する“わが子”の姿に、実感が湧く。マスク姿で表情は隠れていても、安堵(あんど)の気持ちはにじみ出ていた。
直接選手が見れない中でもできることを
九州地区と一部の関東の大学・社会人を担当する脇谷さんは、朝から電話をかけ続ける日々だった。チームの監督や関係者らに連絡を取り、候補選手の現状をつぶさに確認。直接視察はできなくても、コミュニケーションだけは途切らせなかった。
九州地区と一部の関東の大学・社会人を担当する脇谷さん。4、5月の緊急事態宣言中は直接視察はできなくともチームの監督、関係者とのコミュニケーションはかかさなかった 【スポーツナビ】
「YouTubeなどに上がっている選手の映像を片っ端から集めました。一般の方が上げてくれているものでも結構いい動画があって、フル活用させてもらいました」
巨人のスカウト部次長を務める榑松(くれまつ)伸介さんは、そう振り返る。前年に撮影した映像なども見返しながら、できる限りの分析や検討を重ねるしかなかった。
世の中の感染状況を見極め、視察を再開したのが6月。2カ月のブランクを埋めるべく、怒涛(どとう)の全国行脚が始まった。
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