鹿児島の地で世界的フッカーと激突。原田衛が見据えるのは世界の頂点

【©ジャパンラグビーリーグワン】

白波スタジアムの記者席で足元にかすかに感じた震動は、桜島の地響きか、屈強な男たちがぶつかり合う衝撃だったか――。強力フォワードにプライドを持つ2チームの激突は、東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)がクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)に31対27で競り勝った。

BL東京は直近2試合(東京サントリーサンゴリアス戦、リコーブラックラムズ東京戦)はスクラムで苦しんだことが、接戦に持ち込まれる要因となっていたが、この日は日本代表のオペティ・ヘルらが先発したS東京ベイと力強く組み合って、試合の流れを引き寄せた。

リーチ マイケルキャプテンが「今日のプレーヤー・オブ・ザ・マッチを選ぶならフロントロー」と称賛すると、リッチー・モウンガも「今日に関してはフォワードがものすごく良かった」とうなずいた。

最高気温が20度を超えるタフなコンディションの中、後半31分までプレーしたフッカーの原田衛がスクラムを振り返る。

「フロントローでコネクションのところを修正しました。相手は僕らより大きいので(先発フロントローの平均体重はBL東京が105kg、S東京ベイは115kg)、しっかりと低いところで全員がコネクションをもつことを話してやってきました」

日本代表10キャップを持つ原田は、同じフッカーとして南アフリカ代表76キャップを誇るマルコム・マークスと対峙。原田が前半29分に判断良くライン際に回り込んでトライを決めると、マークスは後半24分にトライゾーンに豪快に飛び込んだ。

「(マークスは)世界一のフッカーなので、ずっとやり合えたのは僕にとっても良い経験です。フィジカルが全然違うので、僕らは集団で低くいきました。あとは僕のほうが小さいのでマークス選手より走らないといけない。仕事量をもっと増やしたいと思います」

懸念だったスクラムが改善し、激闘の末に勝利を収めても、さらに成長するための課題を挙げる原田。20年以上にわたって合宿を行うなどBL東京にとって縁の深い鹿児島で、若きリーダーは世界の頂点を見据えていた。

(安実剛士)
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