連載:新庄剛志「もう一度、プロ野球選手になる。」

新庄剛志が「バッティング」を語る 打撃フォームの改造は試行錯誤の連続

新庄剛志
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第10回 新庄野球塾6――打撃編

ファンからはバッティングについて聞かれることも多いという新庄さん。バッティングはどう考えていたのか? 【写真は共同】

 ぼくがインスタでやっている野球塾は、そのほとんどが守備のアドバイス。
 だってぼくは、世界一の守備のスペシャリスト。守備のことなら、伝えたいことがいくらでも出てくる。
 でも、たまにフォロワーから「バッティングについても教えてください」「どうしたらホームランが打てますか?」なんて質問が届く。

 バッティングか……。いつでもどこでも2割5分だったぼくに、教えられることってあるかなあ……。
 プロ野球の世界には、ぼくよりすごいバッターがたくさんいた。

 例えばタイトルをたくさん獲ったすごいバッターがいて、その人は腰をほとんどひねらず、上体だけで打球を飛ばす。まったく力感がないフォーム。名人芸のようなバッティングだった。
 試合で、その人のバッティングを見るたびに、ぼくは「うまいなあ。あんなふうに打てたらいいなあ」と感心していた。

 実際に、試したこともある。
 全身の力を抜いて、上体だけの力で軽くボールをミートする。
 やってみると意外にもすぐにマスターできて、「これ、試合でも使えるんじゃないか」と思った。実際に、試合でやってみたところ感触がいい。

「よーし、しばらくはこれでいってみるか!」

 おもしろいようにヒットが打てる気がしたんだ。

 でも、すぐにおかしくなった。
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著者プロフィール

1972年生まれ。福岡県出身。1990年、阪神タイガース入団。1999年の巨人戦で敬遠球を打ったことは大きな話題となる。2001年、米大リーグ球団メッツに移籍し、日本人選手で初めて投手以外の野手として登録。2002年に移籍したジャイアンツでは、日本人選手で初めてのワールドシリーズ出場を果たす。2004年、日本球界に復帰し、北海道日本ハムファイターズに入団。試合前のパフォーマンスが「新庄劇場」と呼ばれ、北海道に移転直後の日本ハム人気を盛り上げる。2006年、シリーズ開幕直後に引退宣言。日本ハムを日本シリーズ優勝に導いた。2019年11月、プロ野球選手として現役復帰を目指すことを宣言する。著書に『わいたこら。』(学研プラス)など。

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