連載:新庄剛志「もう一度、プロ野球選手になる。」

新庄剛志が教える、カットプレー技術 “スピン投法”で無駄を省く

新庄剛志
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第8回 新庄野球塾4――内野守備編

カットプレーには無駄が多いという新庄。その無駄をなくすために生み出した“スピン投法”とは? 【写真は共同】

 守備には「カットプレー」と呼ばれるプレーがある。
 ぼくの子どものころは、「中継プレー」なんて呼ばれていた。

 例えば一塁にランナーがいて、外野を破る長打が飛びだす。
 一気にホームを狙うランナーを刺そうと、ショートやセカンドが外野手からの送球を捕って、ホームに投げる。これがよく見るカットプレー。ものすごくスリリングで、ファンもわく。

 子どもの野球や草野球では、カットプレーで勝敗がわかれることが少なくない。
 外野からの送球が乱れて、カットに入った内野手が捕り損ない、ボールはグラウンドを転々……。その間に、ランニングホームランになったりする。
 カットマンの位置が悪くて、送球に無駄な時間がかかることもある。
 ほとんど間に合わないのに、内野手がホームに投げてしまい、バッターランナーに余計な塁を与えてしまうことも。
 プロ野球のカットプレーは見ていて「すげえ!」って思うかもしれないけど、それでもぼくから見れば「もったいないなあ」と思うことが少なくない。

 カットプレーには、捕球と送球というふたつの動作が含まれている。
 外野からの送球を捕り、グラブの中のボールを利き手に持ち変えて、投げる──。
 やってる選手は素早くやってるつもりかもしれないけど、この3つの動作がそれぞれわかれてしまっていて、無駄な時間が生まれているんだ。

 ぼくは学生のころから、その無駄をなんとかしたいと真剣に考えていた。
 そこから生まれたのが、これから説明する、スピン投法。
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著者プロフィール

1972年生まれ。福岡県出身。1990年、阪神タイガース入団。1999年の巨人戦で敬遠球を打ったことは大きな話題となる。2001年、米大リーグ球団メッツに移籍し、日本人選手で初めて投手以外の野手として登録。2002年に移籍したジャイアンツでは、日本人選手で初めてのワールドシリーズ出場を果たす。2004年、日本球界に復帰し、北海道日本ハムファイターズに入団。試合前のパフォーマンスが「新庄劇場」と呼ばれ、北海道に移転直後の日本ハム人気を盛り上げる。2006年、シリーズ開幕直後に引退宣言。日本ハムを日本シリーズ優勝に導いた。2019年11月、プロ野球選手として現役復帰を目指すことを宣言する。著書に『わいたこら。』(学研プラス)など。

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