連載:#BAYSTARS - 横浜DeNAベイスターズ連載企画 -

ベイスターズを彩る“スタグル”の理念 8月には横浜駅に店舗進出、その狙いは?

村瀬秀信

横浜駅への進出は「大きなチャレンジ」

ベイスターズが横浜駅にオープンさせる新店舗『&9(アンドナイン)』のイメージ図。ファンだけでなく、通勤通学で駅を利用する一般層にも存在感を示していく 【(C)YDB】

 しかし、それだけでは終わらない。続いてベイスターズは球場の外に目を向ける。2016年、それら新名物を含めたクラフトビアダイニング「&9(アンドナイン)」を球場そばにある「THE BAYS」の1Fに開店。さらに今年の8月10日には、ベイスターズ圏を超えたJR横浜駅改札内に新店舗を進出。市場を外の世界にも求めた。

「私たちの飲食店が横浜駅への店舗に進出することは、我々にとって大きなチャレンジです。これまでベイスターズの飲食がやってきたことは、基本的に試合日の球場内が勝負の場所としてあることが大前提で、そこから『&9』で初めて球場の外に出て、試合のない日にも営業を始めた。

 そして今回は、球場だけではなく、街の飲食店と同じ土俵での勝負になるわけですから、ベイスターズのファンではない方々を含め一般の方を相手にどこまでやれるのか。今後のためにも、ここでしっかり勝負をしていきたいと思っています」

“ごはんを食べにハマスタに行く”レベルまで

スタジアムグルメは試合がある日に食べに行くものだが、いずれは試合のない日にも“ごはんを食べに行く”レベルまで持っていきたいという 【(C)YDB】

 舞台は弱肉強食の荒野。高かろう、不味かろうが当たり前。ちょっと気の利いたものが出れば“名物”と喝采を浴びた、これまでのスタジアムグルメや遊園地の食堂など、施設内のアドバンテージで許されてきた名物とは違う。街のカフェや、レストランとの前代未聞の真剣勝負は、横浜スポーツタウン構想の理念でもあった。

「今年の6月からデリバリーによるスタジアムグルメを自宅に配達するサービスも行いましたが、いずれは試合のやっていない日でも、商業施設のフードコートのように一般の方が“ごはんを食べにハマスタに行く”レベルまで持っていきたいと考えています。今はコロナ禍で状況的にストップせざるを得ない局面ではありますが、これから目指すべきところへ向けて何が出来るのか。次に出すスタジアムグルメのラインナップも含めて、検討をしているところです」

今季、満を持して投入されたのは「目玉チャーハン」だ(写真は目玉チャーハンを好物と語る今永昇太投手) 【(C)YDB】

 7月17日。そんな無観客試合の期間が終了し、プロ野球が段階的にスタンドに観客を入れ始めたこの日。ハマスタに今季の新たな目玉商品がお目見えすることとなった。

「目玉チャーハン」

 横浜スタジアムの選手食堂で長年にわたり選手・関係者に愛されてきた、噂の逸品。それがついに一般販売を迎えたのである。

(取材協力:横浜DeNAベイスターズ/横浜スタジアム)

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著者プロフィール

1975年8月29日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身。プロ野球とエンターテイメントをテーマにさまざまな雑誌へ寄稿。幼少の頃からの大洋・横浜ファン。

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