山崎康晃が目指す、新しいプロ野球選手像 オーナーも巻き込む抜群の仕切りと企画力
プレーを通じて思いを伝える
前代未聞のコロナ禍で始まる2020年シーズンのペナントレースは、無観客試合、120試合制、週6日の連戦に移動の問題なども抱え、まだまだ不明瞭な部分も大きいが、ようやく念願の一歩を踏み出したといえる。
長く待ち望んだ開幕。そして野球なきこの約3カ月の自粛期間に、私たちは球団のコンテンツを通じ、山崎康晃(横浜DeNA)というプロ野球選手が持つ、独自の使命感と圧倒的な発信力を目の当たりにした。自粛という初めて経験する時間にその役目を全うし、開幕を控える今、守護神は何を思っているのだろうか。
「やっと開幕ですね。チームが本格的に動き始めたことで選手もみんな表情が明るいですし、僕自身もモチベーション高く野球をやれています。ただ、一方でまだ開幕できないスポーツもありますし、夏の甲子園が中止になった高校生のことを考えると、本当に胸が痛くて、なんて声を掛けていいのかわからないぐらい悲痛な思いがあります。その中でプロ野球が開幕をする。ならば、僕らができることは何なんだろうかと、改めて考えています。こういうご時世です。苦しい時、辛い時、野球どころじゃないという方もいるかもしれませんが、そういう人たちにも、プレーを通じて、笑顔や勇気、攻める気持ちなどの思いを伝えられる。自分はそんな野球選手でありたいです」
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白眉だった『ヤスアキマイク』の復活
新型コロナウイルスによる開幕延期となった期間も、山崎は野球選手として自分に何が出来るかを球団スタッフらと模索し、球団作成の「STAY HOME」動画に積極的に参加。白眉だったのは昨年のオールスターで登場した『突撃!ヤスアキマイク』の復活。自らがMCになって自宅待機中のエース・今永昇太から、乙坂智、嶺井博希、宮崎敏郎。そして最終回では南場智子オーナーまでをゲストに呼び、“小さなヨネスケ師匠”とも喩(たと)えたくなるような抜群の仕切りで前代未聞の番組を作り上げたのだ。
プロ野球にはいろいろな魅力があります。勝負の楽しさや厳しさ。執着心や、苦しさ。僕自身、プロ野球選手は野球だけじゃなくて、『こんなこともあんなこともやっているよ』ってことを伝えられたらいいなと思って、SNSで発信を始めたんですけど、この6年の間にはいろいろなことを言われてきました。良い意味で『野球選手らしくない』と言われたこともあれば、『野球選手がそんなことをやっていていいのか?』と厳しい意見をいただいたこともあります。
でも、僕は今の時代にしかできないことを“伝えたい”。いろいろな意味で、“新しいプロ野球選手”になれればいいなと思って、発信することを続けているんです」