まるで漫画のような劇的展開 タイガーvs.松山、ZOZOの激闘を振り返る
大会初日、松山英樹のショットをみつめる大ギャラリー 【Getty Images】
開幕するとタイガーと松山が優勝争いの中心となる、ファンにとって最も望んでいた展開に。72ホール目までどちらが勝つか分からない手に汗握る戦いに、「漫画でもなかなかこんなに面白いストーリーはない」という声まで聞かれた。
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会場に詰めかけた2万人超えのギャラリーが熱狂
ティーショットを放つタイガー・ウッズとボールの行方を見守るギャラリー 【Getty Images】
2日目は大雨で中止。3日目に無観客で行われた第2ラウンドでは、タイガーが12アンダーまでスコアを伸ばし単独トップに立った。松山もスコアは伸ばしたものの8アンダーにとどまり3位タイにつけた。
4日目は、22,678人の大ギャラリーが会場に詰めかけた。この日は、第3ラウンドと第4ラウンドが日没まで行われた。やはり注目は、最終組のタイガーと最終組から一つ前の松山だった。レイアウトや風の違いに応じて高弾道、低弾道を打ち分けてティーショットを放ちフェアウェイをキープするタイガーの攻め方や、世界でも超一流と言われる松山のアイアンショットに人々は感動。人だかりの中のほんの少しの視界を確保して、世界最高峰の技を堪能していた。
世界中のどこにいても大歓声を受けているタイガーはこの日も冷静にプレー。一方で米国では体験できない母国ならでは大歓声を一日中受けていた松山は「ボギーを打った後に、いつもなら崩れそうなところでも踏みとどまれているのは、応援の力がすごく大きかったと思う」とギャラリーの声援を力に変えて躍進。第3ラウンドを終えた時点で、タイガーが16アンダーで単独トップ、松山は13アンダーで単独2位につけた。
日暮れまで酔いしれたタイガーと松山の戦い
ファイナルラウンド、母国の大ギャラリーの歓声も力に変えてスコアを伸ばしていった松山英樹 【Getty Images】
この光景を見ながら筆者は、この前年に英国のスコットランド・カーヌスティで開催された「全英オープン」を思い出していた。全英オープンではやはり米国選手よりも地元英国選手(この年は特に開催地であるスコットランドの選手)に応援が集まるが、タイガーだけは特別。「タイガー! タイガー!」というギャラリーからの声掛けが常に続いていたが、日本の習志野も同じ状況だった。
サスペンデッドとなった11番までで2つスコアを伸ばしたタイガーは18アンダーで暫定単独トップに。松山は「残っていたお客さんが後押ししてくれた」と日没サスペンデッド前の2ホールを連続バーディ。最後まで応援を続けてくれたギャラリーの期待に応え、15アンダーまでスコアを伸ばした。
サスペンデットの時点で3位タイは12アンダーのイム・ソンジェとゲーリー・ウッドランド。残りホールも少ない状況の中、月曜日決戦はタイガーと松山にほぼ絞られる形になった。