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Jリーグ再開企画「THIS IS MY CLUB」
J1再開に寄せて…村井チェアマンの願い
「新しいスタイルを一緒に作り上げたい」
Jリーグは新時代へ、再び動き出す。村井満チェアマンはファン、サポーターに協力を呼びかけた
Jリーグは新時代へ、再び動き出す。村井満チェアマンはファン、サポーターに協力を呼びかけた【スポーツナビ】

 J2、J3に続いて、7月4日、ついにJ1が再開する――。DAZNとパートナーメディアが立ちあげた取り組み「DAZN Jリーグ推進委員会」では「THIS IS MY CLUB - FOR RESTART WITH LOVE - 」と題して、Jリーグ全56クラブ、総勢100人以上を取り上げる。スポーツナビでは、再びJリーグ村井満チェアマンにインタビューを実施。J2再開、J3開幕を振り返ってもらい、J1再開、そして今後の展望について聞いた。(取材日:2020年6月29日)

最後まで白熱したゲームが多かった

――無事にリーグ戦が再開しましたね。おめでとうございます。


 ありがとうございます。


――J2再開、J3開幕を見届けて、どんな感情を抱きましたか?


 大きな問題もなく、無事に終わってホッとしました。ザッピングしなから全試合を確認しましたが、どの会場もガイドラインに則った運営ができたと思います。オン・ザ・ピッチに関しては、お客様がいない状態で、選手たちがどれだけ高いテンションでプレーできるのか少し不安でしたが、試合が始まればスイッチが入るんでしょうね。全力でプレーしていることが伝わってきて、4カ月のブランクを感じさせないものでした。


 選手交代が5人に増えたことで、ゲームの流れがずいぶん変わるようにも感じました。最後まで運動量が衰えず、攻め続けるチームが多かった。J2、J3合わせて6試合で3点以上の得点が入りましたからね。8試合が引き分けでしたが、最後の最後まで勝敗が見えない白熱したゲームが多かったと思います。


――強く印象に残ったシーンはありましたか?


 京都サンガF.C.の(ピーター・)ウタカ選手が得点したあと、選手たちが並んで拳を突き上げましたよね。医療従事者の方々に向けたものだったのか、ファン、サポーターに向けたものだったのかは分かりませんが、リモートマッチならではのパフォーマンスで印象的でした。


 試合前には医療従事者への拍手もありました。まず感謝の気持ちを表したのも、いい光景、いい試みだったと思います。そういう方々の努力のおかげで今回、再開できたことは間違いないので、心の入った拍手だと感じました。


 そうそう、ヴァンフォーレ甲府の看板も壮観でしたね。普段、ゴール裏やメーン側に設置している看板をバックスタンドに運んだのだと思いますが、クラブの思想がしっかり表現された、甲府らしい風景だったと思いますね。


――甲府は小口のスポンサーも大事にして、地元企業と良い関係性を築いてきました。こうした形でスポンサーの露出を高めるというのは、甲府らしいアイデアでしたね。


 アイデアと言えば、今回は監督会見がすべてリモートで行われました。J3の試合では普段は地元メディアしか来ないことがあるわけですが、今回は首都圏や在京メディアも監督会見に参加していました。J3のクラブにとっては露出の大きなチャンス。そこで、監督会見のバックボードをローリングさせて、スポンサーのロゴや企業名をなるべくたくさん掲出させるクラブもあった。皆さん、いろいろなアイデアを出しているなと感じました。

選手には子どもたちの見本となる行動を

得点後、左拳を天に突き上げた京都イレブン。医療従事者に感謝の気持ちを伝えた
得点後、左拳を天に突き上げた京都イレブン。医療従事者に感謝の気持ちを伝えた【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

――チェアマンはどちらでご覧になられたんでしょうか?


 土曜日はJリーグのオフィスで、日曜日は自宅で観戦しました。広報スタッフもみんな、オフィスからリモートで現場を仕切っていましたが、同時刻キックオフの試合が7試合もあって、同時に終わるわけです。そこから7、8人が手分けして会見の仕切りを始めるんですね。「名前を入れてください」とか、「カメラはこちらでセットします」「ミュートにします」といった広報スタッフの声があちこちから聞こえてきた。普段でしたら、会見を仕切る様子は分からないわけです。ああ、スタッフたちはこうやって仕事をしているんだ、という様子を目の当たりにできたのも良かったと思います。


――リーグ再開にあたって、Jリーグから選手たちに向けて映像メッセージを送りました。われわれメディアも、ファン、サポーターも、その一部を見ることができましたが、あの映像に込めた思いについて聞かせてください。


 まずは今回の映像のために、「J'S THEME(Jのテーマ)」をアレンジし直してくださった春畑道哉さんには本当に感謝しています。映像に込めたのは、半分は歴史ですよね。当初はプロの興行として成り立つのか疑問に感じる人も多かったかもしれませんが、27年の歴史を積み重ねてこられたのは、サッカーに携わるすべての人々が努力してきた結果だと思います。前半はそうした努力に対する感謝の気持ちを込めました。それから後半は、これからプレーする選手たちに、歴史を踏まえ、支援してきてくださった方々に恩返しをするぞ、という気持ちを込めてプレーしてほしい、と伝えたつもりです。


――リモートマッチは初めての試みでしたから、おそらくパーフェクトではなかったと思います。どんな問題や課題が見えましたか?


 得点後に選手たちが思わず抱き合ったり、おんぶしちゃったりして、「あ、いけない、いけない」みたいな場面もありましたよね。やはり、感情の表出は簡単には抑えられないものなんだなと思う一方で、そうしたシーンは子どもたちも見ていますし、サッカーをするのはPCR検査を受けている人ばかりではないので、見本となるような行動を求めていかなきゃいけないなとも思いました。


 微に入り細に入り検証しましたから、中継映像の制作における反省やサーモメーターの設置、アルコール消毒に関すること、会見の仕切りやメディア対応など、細かい反省材料はたくさん出ています。ただ、大きな課題はなく、リモートマッチに関しては今のところ大丈夫かな、という見通しですね。


――一方、スポーツバーや居酒屋に集まって応援するファン、サポーターがいたという報道がありました。


 気心の知れている仲間や家族と観戦することは悪くはないと思いますが、密を避けなければならない今、社会的に許容される範囲で、節度のある観戦をしてもらいたいですね。スポーツ観戦そのものが社会に迷惑をかけることがないように、留意していただけたら、と思います。

飯尾篤史
飯尾篤史

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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