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コロナウイルスで夏の高校野球はどうなるか
「いつも通り」の甲子園がやってこない?

関係者は「5月末までに方向性を出さないと」と危機感

史上初の中止となったセンバツ高校野球。夏に向けて、不安の大きい中どう向かっていくべきか
史上初の中止となったセンバツ高校野球。夏に向けて、不安の大きい中どう向かっていくべきか【写真は共同】

 第92回選抜高校野球大会の開催中止が決まってから半月あまり。新型コロナウイルスの影響は収束の兆しが見えてこない。


 そんな中、高校野球は4月1日から新年度に入り、約3カ月後からは夏の選手権地方大会が各地で始まっていく。未だ不安が大きい中で、夏へどう向かっていけばいいのか。

 夏の選手権大会は例年、4月下旬に日本高等学校野球連盟(日本高野連)と朝日新聞社を中心に、主催者による運営委員会が開かれる。ここで、今回の新型コロナウイルス感染拡大の状況についてどう考えるかが議題に上がりそうだ。その後、5月から6月上旬にかけて各地で地方大会の運営委員会が開かれ、日程などが確定していく。6月上旬からは沖縄、神奈川大会などから順次、組み合わせ抽選会が実施されていくため、日本高野連関係者は「新型コロナウイルスの状況がどうなっているか読めない」と前置きした上で、「仮定の話なので何とも言えないが、5月末までには何らかの方向性を出さないと」と夏へ向けた考え方を示す。


 21世紀枠での出場校を含む、32校が招待されるセンバツとは違い、夏の選手権は地方大会と甲子園の本大会がセットになっている。それだけに、『地方大会が1地区でも開催できなくなると甲子園の本大会の開催もできなくなる』という状況は何としても避けたいところで、甲子園の本大会と、地方大会をどう運営するかが課題となってきそうだ。

学校の「完全再開」が大会開催への第1歩

沖縄では、春季県大会を無観客で開催。春の大会については、各都道府県で対応の仕方が大きく異なっている
沖縄では、春季県大会を無観客で開催。春の大会については、各都道府県で対応の仕方が大きく異なっている【写真は共同】

 まず、地方大会を開催するには、学校の完全再開が不可欠。授業のない春休み中の現在は、限定的に部活動を再開している学校もある。だが、全ての学校が授業や部活動が元に戻った時点で、初めて完全再開と言えるだろう。今回の新型コロナウイルスがどうなるか、現時点で先を読むことは全くできないが、まずはこの完全再開の状況になることが地方大会開催への第1歩となるのではないだろうか。


 安倍晋三首相は3月28日の記者会見で、「(学校)再開にあたっては、もう一度専門家会合を開き、専門的な見地からご意見をうかがう考え」と述べた。4月の新学期から完全再開というのは期待できないかもしれないが、5月、6月と一歩ずつでも完全再開に近づくことが、球児の夏に向けても大事になってくる。ただ、地方大会のほとんどは、都道府県の教育委員会が後援や大会役員として名を連ねている。他の競技団体と同じように、教育委員会や各自治体に大会開催を理解してもらうことも重要だ。


 春は四国大会、東海大会、関東大会、中国大会の中止が決定。その他にも東京、千葉、兵庫などの都県で春季大会の中止が決まった。今の時点では、各地で新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)する中でも、夏に開催する可能性を残すための苦渋の決断と捉えたい。延期や無観客を決めた地域でも、現在は春季大会をどうするかで手一杯になっていて、夏に向けてはこれから対策を立てることになるだろう。


 日本高野連ではセンバツで実施予定だった感染防止対策を、各都道府県にも情報として示しており、各地区ごとに参考にしながら対策を立てていく。また、NPBとJリーグが新型コロナウイルスの感染拡大に連携して対応する「対策連絡会議」において、3月9日の会議に日本高野連事務局もオブザーバーとして出席。その後の会議の情報も逐一入手していることを明かし、今後へ向けての参考としていく方針で、その内容も各都道府県に伝えられる予定となっている。

松倉雄太
松倉雄太

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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