異例の無観客場所、力士はどう感じた? 「稽古場と一緒」「何のために戦って…」

スポーツナビ

3月場所は22日に全日程が終了した 【写真は共同】

 新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、プロ野球はオープン戦が無観客で行われ、レギュラーシーズンは延期を余儀なくされた。選抜高校野球大会も中止。サッカーのJリーグは公式戦を中断した。東京オリンピックの通常開催も危機的状況と言わざるを得ず、日本のスポーツ界は大きな痛手を受けている。

 海外に目を向けても米国のMLBやNBAをはじめ、各種スポーツの公式戦や大会の中断や中止が相次いでいる。新型コロナウィルスの感染が世界的規模で猛威を振るう情勢の中、大相撲も中止とする選択も十分に考えられたはずだが、相撲協会はあえてリスクを承知の上で無観客での本場所開催を3月1日に決断した。

相撲協会は開催のために高いハードルを設けた

今場所は鉄柵で仕切られたミックスゾーンが設けられた 【写真は共同】

 場所中に力士は毎日朝と夜に体温測定をしたうえで、37度5分以上の発熱が2日連続したら理由を問わず休場。さらに発熱が続けばPCR検査を受け、1人でも感染が確認された時点で中止という高いハードルを設けた。そのため、ありとあらゆる感染防止対策が取られている。外部との接触を極力避けるため、各部屋と場所の行き帰りについては電車、バスなどの公共交通機関は使わず、自家用車やタクシーなどを利用し、費用は全額協会が負担。会場入り後の外出は一切禁止。例えば、午前中に自身の取組がある序ノ口、序二段の力士が関取衆の付け人を務める場合、外食ができず館内の食堂や売店も営業していないため、弁当持参で場所入りし、指定の場所で昼食をとっていた。

 通常の場所であれば、報道陣は支度部屋内で力士の談話を取ることができるが、今場所は立ち入り禁止。その代わり、支度部屋入口の手前に鉄柵で仕切られたミックスゾーンが設けられたが力士と取材陣との間は2メートルの間隔があり、記者は全員マスク着用が義務づけられているため、力士とはやや声を張り上げてのやりとりとなる。

 報道陣も入館時は検温を行い、37度5分以下であれば検温済証が渡され、取材が許可されるが土俵のあるフロアは立ち入り禁止。記者席は階上のスタンド席に限られ、前後は1列おき、隣は2席おいて座らなければならないという徹底ぶりだ。

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