かつてない苦境に立つ「ペップ・シティ」 CLマドリー戦は威信をかけた戦いに

グアルディオラが率いたこの4年間で、シティがこれほど苦しいシーズンを送るのは初めてだ。生命線と言えるボールポゼッションの質も低下している 【Getty Images】

 ジョゼップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティにとって、2月26日(現地時間)に行われるチャンピオンズリーグ(CL)のレアル・マドリー戦は最大の試練と言えるだろう。今シーズンはチームのパフォーマンスが上向かず、プレミアリーグでは3連覇の望みが事実上消滅した。

 加えて先頃、UEFAが定めるファイナンシャルフェアプレー(クラブの財政収支に関する規則)に違反したとして、来シーズンからの2年間は欧州カップ戦に出場できないという処分を科された。このペナルティーにより、今夏の主力の大量流出が危惧される。かつてない苦境に立たされた「ペップ・シティ」。名将グアルディオラは、現役時代から死闘を繰り広げてきた宿敵マドリーにどう挑むのか。

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守備の弱体化が指摘されるが実は攻撃も……

 グアルディオラ監督はかなり前から、プレミアリーグと同じ戦い方ではCLで優勝するのは困難だと理解していた。マンチェスター・シティにとっても、グアルディオラにとっても、それだけCLは難易度の高いコンペティションだということだ。そして今シーズンは、そのハードルがさらに上がっていると言える。

 プレミアリーグでは早々とリバプールに独走を許し、すでに3連覇の可能性はほぼ消滅した。バルセロナとバイエルン・ミュンヘンの監督時代も含めて、ここまで厳しい状況(首位との勝点差は22)で、CLの決勝ラウンドを迎えるのはグアルディオラにとって初めての経験だ。

 数字を見ればシティの低迷は一目瞭然だ。プレミアリーグの27節を終えて、すでに昨シーズンの総失点23を超える29失点を喫しており、守備の弱体化が盛んに指摘される。だが、実は守備だけでなく攻撃も機能していない。失点が増えているのは、むしろ試合をコントロールする力、すなわちボールポゼッションの質が低下しているからなのだ。

 しかもCLのラウンド16で対戦するのは、最多13回の優勝回数を誇るレアル・マドリー。すべてグアルディオラの就任前の試合とはいえ、過去の対戦成績も2分け2敗と分が悪い。
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著者プロフィール

1995年、マドリード生まれ。マドリード・コンプルテンセ大学ジャーナリズム学部を卒業。ミゲル・アンヘル・デ・セルバンテス・ヨーロッパ大学でサッカーの分析とスカウティングを学ぶ。『アス』紙の記者や 複数のメディアでの試合実況、コメンテーターなどを経て、現在はアナリストとして『エコス・デル・バロン』に籍を置く。

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