日本の“ドネア信奉者”がWBSS決勝を展望 未来のためには、井上勝利がいいけど…
ドネアに認められた日本人ボクサー・赤穂亮が考える、WBSS決勝の行方は? 【写真提供:横浜光ジム】
カウンターの応酬から生まれた“神懸かった”一発
「ドネアがカウンターで左フックを打ってきたのをかわして、赤穂が逆に左フックをカウンターで合わせて。神懸かってましたね」
ドネアは当時でも32歳。ALAジムの関係者からは「今はアカホのほうがスピードは速いから、いい勝負になると思うし、当たると思うよ」と言われていたのだという。それでも「簡単に言うと、向かい合った時、全部見透かされているような気がした」というプレッシャーを感じながらのスパーリング。「毎回4ラウンド、5ラウンドやって、その倍ぐらい疲れました」と赤穂は振り返る。それほどの集中力を求められるものだった。
「こっちが打ってもかわされて、必ずリターンを返してくる。どうせ打っても、またカウンターを取られるんだろうなって、思わされちゃうんですよね。僕が4回戦とか6回戦とか格下の選手とやると言われるんです。『打っても、どうせ打たれるから、打っていけなくなる』って。その感覚なのかもしれないですね」
打って、かわされ、打ち返してきたのをかわして、また打つ、そんなカウンターの応酬。高い集中力でハイレベルなラリーについていった先に“神懸かった”一発は生まれたのだろう。
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井上に対し、ドネアの勝機は、その一瞬のスピード、タイミングを生かした「前半KO」だと赤穂は見る。それには井上か、ドネアか、いずれかの仕掛けが条件になる。
「でも、ドネアは決して行くタイプじゃないし、ドネアのほうがリーチもあるんで、自分の距離をキープしようとすると思うんですよ」
スパーリングで感じたのがドネアの「距離感のよさ」だった。
「懐が深いです。足で距離を取るのがうまいというか」
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