野手は森友哉がトップ 投手1位は…アナリストが選ぶ年間MVP<パ・リーグ編>

データスタジアム株式会社

リーグ最高のWARを記録した森友哉。捕手ながら高い打撃力を示した 【写真は共同】

 打撃、守備、走塁、そして投球。さまざまな角度から選手を評価する指標がWAR(Wins Above Replacement)だ。WARの示す数字は、控えクラスの選手を起用した場合と比較して何勝分チームに貢献できたかを表す。本企画は、この総合指標WARを用いて両リーグの投打に分けたMVPを選出する試みである。今回はパ・リーグ編。

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パ・リーグ野手部門:森友哉(埼玉西武)

【データ提供:データスタジアム】

 野手のトップ10には、2年連続のリーグ優勝を果たした埼玉西武から4人が名を連ねた。中でもリーグ最高のWARを記録したのが、捕手では史上4人目となる首位打者に輝いた森友哉だ。今季は炭谷銀仁朗(巨人)の退団に、岡田雅利の故障も重なり、スタメンマスクの回数が昨季の74試合から126試合に急増。守備では、ともに両リーグ最多の12捕逸、52暴投とブロッキングに苦戦したが、それを補って余りある貢献度をバットでたたき出した格好だ。打力の高い選手が少ない捕手というポジションでリーグトップクラスの成績を残したのも、森の評価を一段と高めている。

 2位には、同じく西武の外崎修汰がランクインした。昨季はライトでの出場が主だった外崎だが、今季は退団した浅村栄斗(東北楽天)に代わる正二塁手として、自身初の全試合出場を達成。キャリアハイの26本塁打に加え、盗塁も22個をマークし、リーグで唯一「20本塁打&20盗塁」をクリアした。年間を通じて守るのは初となったセカンドの守備でも、中村奨吾(千葉ロッテ)に次ぐリーグ2位の失点抑止を記録。走攻守の3拍子が高水準でそろうオールラウンダーとして、浅村の穴を見事に埋めてみせた。
 3位は、最後まで森と首位打者を争った吉田正尚(オリックス)。最終的に打撃タイトルの獲得はならなかったが、球場補正を含めた得点創出の貢献度はリーグ最高を記録した。フルスイングが代名詞でありながら確実性も高いのが彼の特徴で、今季の三振は610打席で64個。打席あたりでは荻野貴司(ロッテ)や源田壮亮(西武)らと同水準で、29本塁打を放ったスラッガーとしては破格の少なさだ。かつて悩まされた腰のケガもここ2年は問題なく、年齢的にも全盛期に差し掛かり、しばらくはリーグ屈指の打者として君臨するだろう。
 4位には、楽天にFA移籍した浅村栄斗がつけた。打率、打点が前年を大きく下回り、苦しいシーズンだったと本人は言うが、それでも本塁打は自己最多の33本をマーク。また、打撃スタイルを待球型にシフトしたことで四球が大幅に増加し、長打と出塁の観点では十分に優秀な成績を収めた。楽天勢では、7位に同じく新加入のブラッシュ、8位に昨季は不振だった茂木栄五郎もランクインしており、則本昂大、岸孝之のWエースが万全でない中のAクラス入りには、野手陣の戦力アップが大きく寄与していたことを物語っている。

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