野手は森友哉がトップ 投手1位は…アナリストが選ぶ年間MVP<パ・リーグ編>

データスタジアム株式会社

パ・リーグ投手部門:千賀滉大(福岡ソフトバンク)

【データ提供:データスタジアム】

 投手部門では、3年連続日本一に輝いた福岡ソフトバンクのエース・千賀滉大がトップに立った。今季は最速161キロをたたき出した直球と、代名詞のお化けフォークを武器に打者を圧倒。9月6日の令和初となるノーヒットノーランや、規定投球回到達者では歴代最高の奪三振率11.33など、多くの金字塔を打ち立てた。かつては故障による離脱が多かった千賀だが、今季は順位が決定した最終盤を除いて一軍に帯同し、先発ローテーションを全う。両リーグ最多の180回1/3を投げ、質と量の両面で充実したシーズンを送った。

パ・リーグ投手部門でトップとなった千賀。今季はノーヒットノーランを成し遂げるなど、シーズンを通して安定した投球を披露した 【写真は共同】

 2位には、最優秀防御率を獲得した山本由伸(オリックス)がランクインした。今季は左脇腹痛による1カ月近い離脱が響いて20試合の先発にとどまったが、うち19試合で6イニング以上を投げる驚異的な安定感を発揮。ゴロアウトが多い上に三振を奪う能力もあり、四球もほとんど与えないという理想的なピッチングで、規定投球回ギリギリながら高い貢献度を示した。同僚の山岡泰輔も3位に続いており、20代前半のエース格を2人擁するオリックス先発陣の充実ぶりは、将来に向けて楽しみな要素といえる。

 4位は、沢村賞候補にも名前が挙がった有原航平(北海道日本ハム)。過去4年間で37勝を挙げた実績を持つ有原だが、5年目の今季はさらにワンランク上の投手に進化したといえる。顕著なのが奪三振能力の向上で、今季はキャリアハイを大幅に更新する161奪三振を記録。特に、左打者へのチェンジアップ、右打者へのフォークが有効に機能し、この2球種で99個の三振を奪った。ベンチワーク次第ではあるが、今季は全て中6日以上を空けての先発だったため、長期連戦時に間隔を詰められれば、24先発、164回1/3という稼働量もさらに増やせるだろう。
 5位からは、ロッテの投手が3人続けてランクイン。中でも注目したいのが、7位の種市篤暉だ。高卒3年目の今季は開幕一軍の座を勝ち取ると、4月29日の楽天戦から先発ローテーションに定着。最終的に17度の先発を含む26試合に登板し、チーム最多タイの8勝を挙げた。持ち球はわずか3種類ながら、最速153キロの直球に、130キロ前後で縦変化の強いスライダー、130キロ台中盤で落差の大きいフォークと、いずれも高いクオリティーを有する。先発での奪三振率10.69は千賀に次ぐ水準であり、来季は奪三振王争いを繰り広げても不思議ではない逸材だ。
※データは2019年シーズン終了時点

(文:データスタジアム株式会社 野球アナリスト 佐藤優太)

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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