連載:今季注目の若手フィギュアスケーターたち

山本草太、心身ともに完全復活 北京五輪を照準に、さらなる高みへ

前田恵
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USインターナショナル・クラシックで2位という成績を残し、手応えをつかんでアメリカから帰国した山本草太。今シーズン、大きな飛躍が期待されるスケーターの1人だ 【撮影:スリーライト】

 山本草太は2016年の世界ジュニア選手権直前に右足首を骨折。1シーズンを棒に振った。復帰から2シーズン目となる昨季は、NHK杯でグランプリシリーズ・デビュー。そして今季はUSインターナショナル・クラシックで2位入賞と、完全復活を印象付けた。大人っぽさと少年のようなちゃめっ気が同居する19歳。今季は「王子様」と「男の苦悩」、いくつもの顔を演じ分ける。

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骨折への恐怖心は完全になくなった

――まずは昨シーズン、自分の中で良かったところ、成長したなと思える部分から教えてください。

 8月、試合で久々にトリプルアクセルを降りることができて、全日本では4回転を降りました。そこは成長というか、「戻ってきているな」という実感がありました。

――逆に反省点は?

 自分では練習量を増やしたつもりだったんですが、結果につながらなかった以上、それがまだまだ足りなかったということ。骨折後の恐怖心が完全に取り切れていなくて、練習に影響が出たのではないかと思いました。

――その反省点を踏まえて、このオフはどんな取り組みをしましたか?

 陸上トレーニングは昨シーズンもやっていて、それは変わらずやってきました。氷上の練習は昨年より増やすことができたと思います。

――今はもう、恐怖心も完璧に消えたということですね。

 はい、今はもうなくなりました。骨って、衝撃を与えると生成されやすいそうで、ジャンプも一種の衝撃だからいいことはいいんですが、やはり骨折だったからその具合、加減が難しくて。心理的にも最初は怖いじゃないですか。でも徐々に練習量を積み重ねるなか、「このくらいやってもまだ大丈夫なんだな」「4回転をいっぱい練習しても大丈夫なんだな」と、どんどん範囲が増えていって、今に至っています。

――今季のプログラムの曲は、どうやって決めたのでしょうか。
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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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