連載:今季注目の若手フィギュアスケーターたち

今季シニアデビューの“凡人”横井ゆは菜 「やっとできた」を積み重ねてきた人生

前田恵
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「才能もないし、これまでフィギュアを続けてきたのは特に“やめる理由”がなかっただけ」という横井。シニアデビューの今季、一気に階段を駆け上がる姿が見られるかもしれない 【撮影:スリーライト】

 2018年全日本ジュニア選手権優勝のタイトルを引っ提げて、今季シニアデビューを果たした横井ゆは菜。11月には、第5戦・ロシア杯、第6戦・NHK杯とグランプリ(GP)シリーズの連戦に挑む。豪快なジャンプと豊かな表現力を武器に、ユニークな選曲で女子シングル界にどんな新風を吹き込んでくれるか、楽しみだ。

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私はまだ、大きな目標を語れるほどの選手じゃない

子どものころから目の前の目標をコツコツとクリアしてきたという横井。シニアデビューを果たし、大きな転機を迎えようとしている 【撮影:スリーライト】

――フィギュアスケートを始めたての頃のこと、何か覚えていますか?

 5歳のとき、週に1回の教室でレッスンを受けるようになったんです。たまに昔のビデオを見返すことがあるのですが、私は下手くそというか、習得が遅くて、必死にみんなについていこうとしている感じが見てとれました。だけど、たぶん当時は自分のことを下手だとは思っていなかったんです。結構、楽しくやっていましたから(笑)。

――「フィギュアスケートをずっとやっていこう」「選手として上を目指すんだ」と思ったのはいつ頃でしたか?

 強く思ったのは、もしかしたら最近になってからかもしれません。それまでは辞める理由もなくて続けているような部分もあったのが、ジャンプの技術などがだんだん上がっていくにつれて、モチベーションも上がってきた。自分が国際大会に出るような選手になれるとは、昔は思っていなかったのに、世界ジュニアやジュニアグランプリに出させていただいて、「ここまで来たら、やっぱり頑張らなきゃいけないな」と最近は思うようになりました。

――今の横井選手を支えるモチベーションはなんでしょう? 

 日々練習していく中でのモチベーションは、その日の目標。「これができるようになるまでやる」ということですね。私は大きな目標をまだ口には出せない選手だと思っているので、とにかく目の前のことを頑張るしかない。
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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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