ZOZOチャンピオンシップ2019連載

日本で見せたタイガー・ウッズのすごさ 語り継がれる伝説の数々をプレーバック

北村収

2001年、太平洋クラブ御殿場コースで開催されたワールドカップ、タイガー・ウッズが見せた18番ホールでのチップインイーグルは、今でも多くのファンの記憶に刻まれている 【Getty Images】

 2001年、太平洋クラブ御殿場コースでのタイガー・ウッズのチップインショットを覚えているゴルフファンは多いのではないだろうか? 日本で3回目の開催となったワールドカップには当時、世界ランキング1位だったウッズと同3位だったデービッド・デュバルが米国チームとして出場。最終18番ホールでウッズが放ったチップインイーグルは、今でも語り継がれているスーパーショットだ。

 他にも来日の際にはゴルフファンの度肝を抜くミラクルショットだけでなく、タイガー来日フィーバーにまつわる伝説も数多く残している。日本での過去のウッズを振り返ってみよう。

スーパーショットで沸かせ、超VIP待遇で席巻

14番の第2打がカップイン、イーグルを奪い喜ぶウッズ 【写真は共同】

 ウッズが日本で初めて出場したトーナメントは、1998年のカシオワールドオープンゴルフトーナメントだ。前年にマスターズを制していたウッズは、すでに世界No.1のスーパースター。運営サイド側は超VIP待遇で対応したようだ。

 中でも話題になったのは、大手ハンバーガーチェーンの臨時出店。ウッズが大好きだと言われているハンバーガーショップが、試合が開催された、いぶすきゴルフクラブ開門コース(鹿児島県)近辺には無く、急きょ臨時出店を行った。また、プライベートジェットで来た最寄りの飛行場から、ゴルフ場まではヘリコプターを利用するなど、すべてが特別だった。

 試合の結果はパッティングが振るわず15位タイだった。ただ、3日目に14番パー4の2打目を直接カップインさせイーグルを奪うなど、スーパーショットも所々で披露。また、「インパクトの音が日本の他の選手とは違うね」との声が聞かれるなど、ギャラリーはタイガーワールドを十分に堪能していた。

圧倒的な強さを見せたダンロップフェニックス

4度出場したダンロップフェニックストーナメント、04年と05年には連覇を達成した 【Getty Images】

 日本で最も多く出場したトーナメントがフェニックスカントリークラブ(宮崎県)で開催されているダンロップフェニックストーナメント。02年、04年、05年、06年と4度出場し、04年と05年は連覇を果たしている。

 日本での初優勝となった04年は、圧倒的な強さをギャラリーに見せつけた。初日からトップに立ったウッズは3日目を終えて2位に10打差をつけて独走。結局2位に8打差をつけて圧勝した。最終日の9番ホールでは残り143ヤードを、9番アイアンでカップ横につけるなどスーパーショットも連発し、ギャラリーを魅了した。

 フェニックスカントリークラブのクラブハウスには、ダンロップフェニックストーナメントの歴代優勝者の写真や絵が飾られており、その中にはもちろんウッズのものも。また、フロント近くの1室にはタイガー・ウッズの“手形”も用意されている。ウッズファンなら一度は訪れたいスペースになっている。

今ほど飛ばない97年に300ヤードショットを連発

 ウッズが日本で初めてプレーをしたコースとして知られているのが、武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)だ。当時、世界最高の賞金がかけられたエキシビションマッチ「タイガー・ウッズ・インビテーショナル」に出場。コース内の数ホールでは、ウッズがティーショットで飛ばした地点にフラッグが立っており、ほとんどが300ヤード超え。今ほど飛距離がでないメタルヘッドの時代のウッズのパワーは、日本のギャラリーにも衝撃を与えた。また、クラブハウスにはウッズ来日の際のさまざまな貴重な品が飾られているようだ。

テレビマッチでは丸山、とんねるずとも対決

 テレビマッチでも何度か来日しているウッズ。99年、テレビ朝日の特番「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」の収録では、騎手の武豊さん、福岡ダイエーホークス(当時)の秋山幸二さん、プロゴルファーの青木功さんなどのゲストと、9ホールのエキシビションマッチを行った。当日は多くのギャラリーが来場したそうだ。

 また、01年にはエクセレントゴルフクラブ・伊勢大鷲コース(三重県)に丸山茂樹と18ホールの真剣勝負を展開。この年は丸山が、当時としては日本人2人目となる米PGAツアー初優勝(1人目は83年の青木功)を達成しており、日本を代表する丸山とウッズの対決は大盛り上がり。パー4で当時まだ若かった2人はワンオンを果敢に狙うなど、エキビジョンマッチならではの攻めのゴルフで観衆を熱狂させた。
 ウッズが登場した日本のコースの多くでは、来日を記念したプレートなどがあるなど、当時を思い出させる記念品が飾られている。また、攻めがいのある戦略性の高いコースばかり。今回の来日のタイミングで、昔のウッズを思い出しながらラウンドするのも悪くないかもしれない。
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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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