歴史の目撃者となれる2019年凱旋門賞 エネイブルvs.オブライエンの隙を突け!

JRA-VAN

3連覇達成の偉業、可能性は相当高い

凱旋門賞3連覇の偉業を目指すエネイブルと鞍上デットーリ、我々は歴史の目撃者となるか(写真は昨年の凱旋門賞) 【Photo by Getty Images】

 エネイブルの3連覇なるかに注目が集まる凱旋門賞が日本時間6日夜に迫った。史上空前の快挙達成を待ちわびる空気の中で、日本から参戦するG1ホース3頭も、勝てば新たな時代を開くことになる。どちらにせよ、歴史的偉業の目撃者となれそうな今年の凱旋門賞には胸躍るばかりだ。

 そのエネイブルは今年のG1レース3連勝を含め、2017年5月から2年余り負けなしの12連勝中。これまでの好位差しの勝ちパターンから、キングジョージ6世&クイーンエリザベス2世ステークスでは追い込みに近い形で差し切った。壮絶な叩き合いの末に相手をねじ伏せる勝負強さも示し、この大一番に向けてもはや隙は見当たらない。歴史的偉業を成し遂げる可能性は相当高いように思える。

3歳馬ジャパンはとりわけ怖い存在

 とはいえ、同一G1レースの3連覇は想像以上にハードルが高いのも事実。日本では平地G1の3連覇は例がない難業だけに、エネイブルをもってしても苦戦を覚悟する必要がある。その前に立ちはだかるのはまず、A.オブライエン調教師が送り込む2頭となるだろう。

 オブライエン厩舎といえば、大レースでは多頭出しで巧みなチーム戦略を操ることで知られている。凱旋門賞ではエネイブルが勝った昨年と一昨年に各5頭を立て、2016年には3頭出しで上位独占の離れ業を演じてのけた。しかし、今年はキングジョージでエネイブルと死闘を演じたクリスタルオーシャンを撃破し、あるいはエネイブルの域に達している可能性もある3歳馬ジャパン、エネイブルと再三の接戦を演じてきたマジカルの2頭のみ。両馬の実力なら特段の援護射撃がなくとも勝負になるという自信が感じられる。斤量の利があり、初対戦のジャパンはとりわけ怖い存在だ。

12頭立ては日本勢にとって幸い

キセキをはじめフィエールマン、ブラストワンピースの日本馬3頭は女王の隙を突く激走を見せたい(写真は2017年菊花賞) 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 日本の3頭と地元のフランス勢は、エネイブルとオブライエン勢のせめぎ合いによって生じる隙を突きたい。最大12頭と頭数が落ち着いた今回は例年ほどポジションを気にする必要がなく、つかず離れずの位置から様子をうかがえそうなのは幸いだ。

 日本勢では先行力のあるキセキがエネイブルの前に位置を取ることも。末脚の瞬発力も持続力もある女傑の動きに対応するのは難しく、日本馬の特徴をよく知るC.スミヨン騎手を鞍上に迎えられたのは大きい。また、ブラストワンピースとフィエールマンは、瞬発力なら前者、持続力なら後者に出番が回ってくるかもしれない。両馬とも英国調整から現地入りする新たな戦略を試している点が興味深く、是非とも成果をあげてもらいたい。

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