秋のG1で荒れるレース、堅いレースは? 本命党・穴党の狙いどころをピックアップ

JRA-VANデータラボ

ターゲットにすべきはどの一戦か

 今週日曜のスプリンターズSで開幕する秋のG1戦線。12月28日のホープフルSまで3か月の長丁場、最初の目標は「全勝」という方もいるかもしれないが、それを実現できる人はほぼいないだろう。逆に最初から飛ばしすぎた結果、勝負をかけたいレースで懐具合がさみしくなっている、という事態だけは避けたいところだ。そこで今回は、秋のG1の中で荒れやすいレース、平穏に収まりやすいレースを探ってみたい。本命党、穴党がそれぞれターゲットにすべきは果たしてどの一戦か。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.とTarget frontier JVを利用し、2009年以降の10年間で中央競馬の平地G1として10回行われているレースを対象とした(チャンピオンズCには13年以前のジャパンCダート5回を含む。最終週のホープフルSは対象外)。

単勝・馬連・3連複の配当集計

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1は各G1レースについて、単勝、馬連、3連複それぞれの最低、平均、最高配当を調べたものである。平均配当ではエリザベス女王杯の馬連や、阪神JFの3連複が群を抜いているが、エリザベス女王杯は10年(馬連10万2030円)、阪神JFは12年(3連複49万320円)1回の影響が非常に大きい。最高配当と最低配当をカットした8回の平均を取ると、エリザベス女王杯は単勝949円、馬連5046円、3連複9996円。阪神JFはそれぞれ516円、2085円、5676円。特に阪神JFは、むしろ平穏に収まりやすいレースである。

 こうした特定の1レースの影響が少なく、荒れる年が多いのは今週行われるスプリンターズSで、平均配当は3券種すべてで高配当ベスト4にランクイン。穴党にとっては、シーズン最初から高配当獲得最大のチャンスが訪れることになるかもしれない。また、同じ短距離路線であるマイルCSも単勝と馬連で平均配当3位を記録している。

 そしてスプリンターズSとは逆に、3券種すべて低配当ベスト4に入るのが、秋のG1・2レース目の秋華賞と、有馬記念だ。本命党なら、スプリンターズSでまずは試運転を終え、次の秋華賞で勝負ということになるだろう。また、有馬記念のほか天皇賞(秋)、ジャパンCで形成される、いわゆる「秋の古馬三冠」は、3券種のうち1つ以上が低配当ベスト4に入っている。おおむね、天皇賞(秋)→ジャパンC→有馬記念と進むにつれて波乱度は低下していく傾向だ。

1番人気馬の成績(複勝率順)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 1番人気馬の複勝率は、その天皇賞(秋)・ジャパンC・有馬記念がトップ3を占め、単複の回収率はいずれも100%を突破。加えて、秋の中央競馬では唯一のダートG1・チャンピオンズCでも単複回収率100%以上を記録した。一方、表1で荒れ気味だったスプリンターズSとマイルCSが、ワースト2となっている。

 また、レースごとの勝率に注目すると、11レース中9レースが40.0〜50.0%とほぼ横並び。そんな中、マイルCSとエリザベス女王杯の1番人気は、過去10年で1勝のみに終わっている。

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