秋のG1で荒れるレース、堅いレースは? 本命党・穴党の狙いどころをピックアップ

JRA-VANデータラボ

6番人気以下の成績(複勝率順)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 今度は、6番人気以下の成績も見てみよう。高複勝率を記録するのは、スプリンターズSとチャンピオンズC。スプリンターズSは「1番人気の複勝率が低い(表2)」「6番人気以下の複勝率が高い(表3)」結果、「平均配当が高い(表1)」ことがわかる。一方のチャンピオンズCは、1番人気の複勝率が70.0%と悪くなかったため、間の2〜5番人気が低調であると予想される。

 同様に天皇賞(秋)・ジャパンC、有馬記念も、6番人気以下の穴馬が少なからず好走している。こちらも2〜5番人気が奮わないため、1番人気が好成績を残しながら、平均配当は「ガチガチ」にまでは至っていないのだろう。

 そして、6番人気以下の複勝率が最低の4.7%にとどまったのが、表1の平均配当が低かった秋華賞だ。表2にあった1番人気の勝率40.0%、複勝率70.0%は、秋のG1では平均的な数字だったが、こちらは2〜5番人気の成績が良いために、6番人気以下の好走が少なく、平均配当も下がっていると考えられる。

レース・人気別複勝率

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 その2〜5番人気を「2〜3」と「4〜5」に分け、人気別の複勝率をまとめたのが表4である。秋華賞は特に、2〜3番人気が複勝率55.0%と群を抜いた好成績だ。また、表1〜3から予想されたように、チャンピオンズCと天皇賞(秋)・ジャパンC・有馬記念は、1番人気以外の上位人気勢が今ひとつに終わっている。

10番人気以下の成績(1〜3着数順)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に2桁人気馬の成績も見ると、スプリンターズSが断トツという結果になった。表3の6番人気以下は【3.3.9.95】、そしてこの10番人気以下は【2.2.2.64】。6番人気以下の連対馬6頭中4頭を、10番人気以下が占めている。その内訳は、10年10番人気1着のウルトラファンタジー、14年13番人気1着のスノードラゴン、15年11番人気2着のサクラゴスペル、そして昨年11番人気2着のラブカンプー。4頭のうち3頭は近5年の激走で、今年も大いに一発の期待をかけたいところだ。対して、6番人気以下の好走率最下位の秋華賞は、13年にリラコサージュ(15番人気)が3着に食い込んだのみである。

 以上、秋のG1の配当・人気傾向をまとめてみた。穴党なら、まずは今週のスプリンターズSで好ダッシュを決めたいところ。本命党なら次の秋華賞が最初の勝負レースになるが、決して「1番人気で頭鉄板」というレースではないことには注意したい。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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