古巣レアル・マドリーとの決戦を前に…PSGのキーマンが抱く三者三様の思い

下村正幸
アプリ限定

マドリーの守護神としてCL3連覇に大きく貢献したナバス(右)は「勝ち方」を知る男だ。PSGに欠けている勝者のメンタリティーをもたらすことが期待される 【Getty Images】

 パリ・サンジェルマン(PSG)はこれまでチャンピオンズリーグ(CL)の舞台でレアル・マドリーに一度も勝っていない。その天敵と9月18日(現地時間)のCL初戦でいきなり相まみえる。世界が注目するこのビッグマッチでPSGのキーマンとなるのは、元マドリーの3人衆かもしれない。今夏に入団したGKケイラー・ナバスとMFパブロ・サラビア、そして在籍5年目のFWアンヘル・ディ・マリア。彼らが抱く感情は三者三様だが、3人に共通しているのはマドリーというクラブの存在の大きさだ。それぞれの思いを胸に、古巣との決戦に挑む。

※リンク先は外部サイトの場合があります

名門で培った勝者のメンタリティー

 グループステージ第1節最大の注目カードが、PSG対マドリーだ。今夏、ナバスとアルフォンス・アレオラのGK同士のトレード(PSGは1500万ユーロ=約18億円でマドリーからナバスを獲得。そのオペレーションにアレオラの1年間のレンタルでの移籍/買取りオプションなしが組み込まれた)を成立させるなど、両クラブは良好な関係を築いているが、もちろんピッチでは欧州の頂点を争うライバル同士である。

 もっとも、フランスの絶対王者は、CLでの実績ではスペインの白い巨人に遠く及ばない。通算13回と最多の優勝回数を誇るマドリーに対し、PSGは1994−95シーズンのベスト4がこれまでの最高成績だ。

 2011年にカタール王族がクラブを買収して以来、PSGはそのぜいたく資金をバックにワールドクラスのタレントを次々に獲得。欧州随一とも言える強力なメンバーをそろえ、近年は常に優勝候補の一角を占めてきた。とくにネイマール、キリアン・エムバペ、エディンソン・カバーニのトリデンテを擁した過去2シーズンは大きな期待と注目を集めたが、しかし、いずれもラウンド16で敗退している。

 国内では敵なし状態で、3冠(リーグ・アン、フランスカップ、リーグカップ)を何度も達成しているPSGにとって、いまだ果たせていないCL優勝はまさに悲願。唯一最大の目標である。

 その悲願をかなえるために越えなければならない「壁」が、マドリーなのかもしれない。これまでCLでは4度対戦し、一度も勝ったことがないのだ(3敗1分け)。

 マドリーを打ち倒し、ビッグイヤーを勝ち取る――。そんな野望を抱くPSGにとって、かつてマドリーに在籍したディ・マリア、サラビア、そしてナバスの存在は大きいだろう。純粋な戦力としてはもちろんだが、3人が世界一の名門で培った勝者のメンタリティーは、まさにこの新興クラブに欠落している要素だからだ。

 古巣との対戦に燃える3人の闘志も力に変えて、PSGとしては本拠地パルク・デ・プランスで行われる今季のCL戦に勝利し、悲願の初優勝に向けて良いスタートを切りたいところだ。
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ

1/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント