欧州チャンピオンズリーグ大展望 各グループの本命・対抗・大穴を予想する
欧州チャンピオンズリーグが開幕。グループステージは12月まで。ベスト16に進出するのはどこか!? 【Getty Images】
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本命マドリー、パリSGも盤石ではない
けが人続出でチーム状態はベストとは言いがたいマドリーだが、それでも前線の陣容は欧州のトップクラスだろう。故障で出遅れた新戦力のアザールも9月14日にようやくリーガデビューを飾った 【Getty Images】
本命 レアル・マドリー(スペイン)
対抗 パリ・サンジェルマン(フランス)
穴 ガラタサライ(トルコ)
大穴 クラブ・ブルージュ(ベルギー)
本命視されるレアル・マドリーとパリ・サンジェルマンだが、今シーズンはどちらも不確定要素を抱えており、決して盤石ではない。
マドリーの場合は主力にけが人が相次ぎ、さらに大黒柱のセルヒオ・ラモスに軽率なミスが目立つなど、とりわけ守備ブロックの強度不足が顕著だ。それでも、戦力外から一転残留となったベイルとハメスが予想以上にフィットしており、また期待の新戦力アザールもようやく負傷から回復。守備の不安を自慢の攻撃力で覆い隠してしまうことも不可能ではないだろう。
加えて、2015−16シーズンから前人未到の3連覇を達成し、CLでの勝ち上がり方を熟知するジダン監督の存在も、大きくモノを言いそうだ。
より脱落の危険度が高いのは、ネイマールの退団騒動を引きずるパリSGのほうだろう。結局パリに留まったエースとサポーターとの関係は最悪で、今シーズンの公式戦初出場となったストラスブール戦では、本拠地パルク・デ・プランスにブーイングが渦巻いた。
そのストラスブール戦で終了間際に決勝ゴールを奪うなど、やはりピッチに立てば違いを見せつけるネイマールだが、昨シーズンの審判への侮辱行為により、CLは3試合の出場停止。さらにリーグ・アン得点王のエムバペも筋肉系のトラブルで戦線離脱中と、いわば飛車角落ちでマドリーとの第1節を迎えることになる。
仮にこの直接対決に敗れ、第2節の難敵ガラタサライとのアウェーゲームも落とすようなことがあれば、グループステージ突破にいきなり黄信号が灯るだろう。純粋な戦力値で大きく見劣りするクラブ・ブルージュはともかく、駆け込み移籍でファルカオを獲得し、前線の拡充に成功したトルコの雄には、2強の一角を崩すだけの力がある。
順当ならバイエルン、トッテナムの2強
コウチーニョをバルサから獲得するなど、バイエルンは今夏の移籍市場でいつになく積極的に動いた。目指すのは12−13シーズン以来の欧州制覇。ここでもたつくわけにはいかない 【Getty Images】
本命 バイエルン(ドイツ)
対抗 トッテナム(イングランド)
穴 オリンピアコス(ギリシャ)
大穴 レッドスター(セルビア)
順当ならバイエルン、トッテナムの2チームが勝ち抜けるだろう。
昨シーズンは優勝したリバプールにラウンド16で敗れ、8シーズンぶりに8強入りを逃したバイエルンは、その雪辱に燃えている。MFコウチーニョ、DFリュカなど、例年になく精力的な補強でチームを強化したのは、それだけビッグイヤーに懸ける思いが強いからだ。功労者のロッベン、リベリーがいなくなったとはいえ(ロッベンは現役引退、リベリーはフィオレンティーナに移籍)、ノイアー、レバンドフスキ、ミュラーなど、CLでの勝ち方を知る歴戦の勇士を抱えるドイツの巨人が、よもやグループステージで姿を消すとは考えにくい。
バイエルンとは対照的に昨シーズンのCLで快進撃を見せ、クラブ史上初のファイナリストとなったトッテナムは、もはや欧州の強豪の一角に数えていいだろう。エリクセン、ケインらコアメンバーを引き留めたうえで、ヌドンベレ、ロ・チェルソといった新戦力を加えて選手層の厚みが増している。ブンデスリーガ7連覇中と国内では無敵状態のバイエルンと比較して、競争の激しいプレミアリーグを戦わなければならない点は不利だが、少なくとも2位の座は確保するはずだ。
残るオリンピアコスとレッドスターは、もちろん下剋上を狙っているだろう。だが、バイエルン、トッテナムとの実力差は歴然としており、両チームともヨーロッパリーグ(EL)に回る3位が現実目標と言える。2シーズン連続で本戦進出を果たし、古豪復活の機運が高まるレッドスターも力をつけているが、ロシアのクラスノダールに圧勝して本戦出場権を勝ち取り、勢いに乗るオリンピコスのほうがやや優勢か。