馬場雄大「全てにおいて力の差を感じた」 W杯モンテネグロ戦後 HC・選手コメント

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随所に持ち味を発揮した馬場雄大だが「気持ち良くプレーができなかった」と振り返った 【小永吉陽子】

 9日に「FIBAバスケットボールワールドカップ(W杯)2019」の17-32位順位決定ラウンド第2戦が中国で行われ、日本代表はモンテネグロ代表と対戦し65-80で敗れた。ともに第1次ラウンドから4連敗で迎えた今大会の最終戦は、どちらが最後に意地を見せるかに注目が集まった。

 渡邊雄太がいきなり4得点を挙げて幸先良くスタートした日本。しかし、その後はモンテネグロに連続失点を許し、あっさりとリードを奪われてしまう。第1クォーター(Q)残り3分45秒時点で2桁ビハインドを背負うと、放ったシュートは相手のブロックに遭うなど思うように得点を伸ばせず。終了間際に比江島慎がジャンプショットを決めるも、16-26で第2Qへ。

 第2Qは開始から5分間、相手をノーゴールに抑えることに成功。その間に馬場雄大や比江島らの得点で点差を詰め、残り4分39秒で26-28とする。しかし、モンテネグロはボージャン・ドゥブリェビッチ、昨季アルバルク東京に所属していたミルコ・ブエリカの得点で対抗。日本は、渡邊が前半だけで21得点6リバウンドの活躍でチームを牽引したが、7点ビハインドでハーフタイムを迎えた。

 第3Qは開始から安藤誓哉、馬場が積極的に仕掛けて勢いをつける。相手のシュートが落ち出すと、渡邊がバスケットカウント、さらにはダンクを決めて中盤で45-45の同点に追いついた。一気に逆転したい日本だったが、残り1分39秒から立て続けに失点し、第4Qを前に10点差をつけられた。

 最終Qに入っても、なかなか活路が見いだせない日本。対するモンテネグロは落ち着いた試合運びで勝負を決めにかかる。結局、この10分間は最後まで2桁点差を縮められず、最終スコア65-80で敗戦。日本は試合を通して3ポイントシュート成功率が16分の0と精彩を欠き、(モンテネグロは29本中8本成功)、5連敗で中国でのW杯を終えた。

馬場雄大(アルバルク東京)

「不完全燃焼。もう一度、自分たちと向き合いたい」

(今日の試合は)全てにおいて力の差を感じました。ゴール下のコンタクトやフィジカルの部分で最初からガツガツと当てられたことが、最後の場面でボディブローのように効いてきました。40分間通してハードに戦えなかったことが、少しずつ点差を離されてしまった原因だと思います。

 相手は(3ポイントも)しっかりノーマークを作って決め切る力がありましたが、僕たちはそれを決められなかったことが点差にもつながったと思います。普段決められる選手でもこの舞台では決められないということは、やっぱりまだまだ経験が足りないです。

 でも、2020年(東京五輪)の前にこの経験ができて良かったです。来年に向けて準備していくだけですし、ここが底辺なのであとは上がっていくだけです。もう一度、自分たちと向き合って、世界レベルの水準でものを考えていきたいです。

(5試合を通して)不完全燃焼ですね。雰囲気なのか分かりませんが、いつもより疲れてしまう自分がどこかにいて、気持ち良くプレーができなかったですし、楽しくプレーもできませんでした。気力でリングにアタックしましたが、それも5試合通してできたわけではないです。この結果に下を向くことなく、このような経験を多く積み重ねていくためにも、顔を上げて前を向いていきたいです。

フリオ・ラマスヘッドコーチ

来年に迫る東京五輪へ向け、日本は世界基準のバスケットを目指す 【写真:ロイター/アフロ】

「これが現実。一番の課題はディフェンス」

 この結果を受けてもちろん満足は全くしていない。せめて1勝は挙げたかった。今大会を通じて選手もわれわれ(スタッフ)も、世界と戦っていくためにはまだまだ成長しなければいけない部分が残っていることを学んだ。フィジカル面、技術面、戦術面、メンタル面、全てにおいて成長の余地があると信じている。

 特に一番成長しなければいけないのはディフェンスの部分だ。世界のベストチームが集うW杯において、まだまだ日本は格下レベルだ。格下が格上のチームに勝つためには、最低でも70点以内に抑える試合をしなければいけない。

 日本が最後にW杯に出場したのが自国開催の06年であり、それを経験しているのは竹内兄弟だけだった。そこから13年が経ち、今年はW杯も含めて国際試合を10試合こなした。この経験を無駄にせず、次はこの経験を使ってチャンスをつかんでいかなければいけない。

 今年はW杯と五輪の出場権を獲得したが、当時はアジアの中でのレベルを少し上げることができたことに喜んでいた。W杯を経験したことで、次は世界と競争していくためにこれからも成長し続けなければならない。目標を持ってやっていこうと思う。これが現実だ。だからこそ、五輪で結果を残すためには、今から成長するために準備しなければならないし、すぐにでも始めなければならない。

(取材協力:バスケットボールキング編集部)
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