小野伸二が沖縄で描く夢 FC琉球がビッグクラブになるために

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簡単に変わるものではないけれど……

小野は「簡単ではない」と語りながらも、J1昇格に意欲を見せた 【スポーツナビ】

――札幌で過ごした6シーズンはチームがJ1に昇格し、定着した時期だと思います。その経験を琉球でも生かせると思いますか?

 元々の土台の違いがあるので、少しずつ変わっていかないといけないと思います。そのためには去年J3からJ2に上がって、いまはちょっと下のほう(16位)にいますけれど、まずはJ2に居続けることが大事だと思います。(J2とJ3を)行ったり来たりするようなクラブだといけないし、環境も変わっていかない。簡単に変わるものではないですから、時間とともに。ただ自分がいる間にそれが達成できればこれほどうれしいことはないです。そのためには結果が大事ですから、結果を求めていきます。

――時間はどれぐらいかかると思いますか?

(契約は)1年半あるんですけれど、その時間でできるかといえば簡単ではないですよね。コンサドーレに行ったときは3年でJ1に上がれればいいな、自分がいる間に、契約の中で上がれればいいと思っていました。それはある程度いい方向で達成できました。コンサドーレと琉球では環境の違いはあるのでそこから始めていかないといけないと思うので、そういう部分で難しさはあると思いますけどね。

――琉球の環境はどう感じていますか?

 複数の練習場を転々とするという部分で選手の難しさはあると思います。元々みんなそれでやってきたわけで、当たり前になっていればそれはそれで悪いことではないですけどね。

 ただビッグクラブになっていくためにはひとつの場所に拠点を置き、クラブハウスがあって、施設がどんどん変わっていくことが選手にとっては一番いい。そういうチームになっていけば、おのずといい選手が入ってきたり、(選手が)行きたいと思うクラブになっていくと思います。

 倉林(啓士郎)会長はそういうことを意識して、選手のことを考えていろいろな行動をしてくれていますから、簡単ではないことはみんなが承知していると思います。県民も含めて、沖縄県が協力してくれていますしね。

 昨日もあれだけお客さんが来てくれるということはサッカーに少なからず興味を持ってくれている人がたくさんいるわけですから。おかげで昨日は試合も盛り上がったし、そういう環境がもっともっと整えていけるように、僕自身も力になれればと思っています。
――沖縄独特の応援の感じも印象的でしたね。

(選手交代の際に指笛で声援を受けたので)ピッチに入るときはブーイングされたのかなと思いました(笑)。ちょっと変な感じはしましたけれど、これが沖縄の応援なんだなと思いましたし、小さい子がずっと声を出して応援してくれていたのが印象的でした。そういう子たちが「こういう選手に会いたい」とか、「このチームに入りたい」という夢を持てるようなクラブになったらいいなと思います。

大声援をくれるサポーターに甘えてはいけない

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――入団会見で倉林会長の「沖縄をサッカー王国に」という言葉に共感したと言っていました。

 会長がそういう気持ちをもってこのチームを支えている、選手はそれに応えて、僕自身もそれだけのポテンシャルのあるクラブだと思うので、沖縄県をそういうものにしていければと。沖縄が盛り上がれば日本がどんどん盛り上がる。

――思い描くサッカー王国はやはり地元の静岡ですか?

 そうですね。静岡で生まれて育った人間なのでそうなれるように。何をやるにしても簡単なことは何もないと思うので、とにかく少しずつステップアップできればと思います。

――サッカー王国である静岡と現状の沖縄では何が違うと思いますか?

 勝つことが当たり前という精神はあったと思います。そこは選手たちがメンタル的に変わっていかないといけない部分だと思いますね。昨日もあれだけの大声援をいただきましたけれど、静岡では(負けたら)ブーイングしかないですから。その違いはあるし、そこに甘えてはいけないと思います。あれだけ来てくれたことに満足するのではなく、来てくれたら「結果を出さなくてはいけない」と強くみんなが思わないといけない。1人ずつが1%変わるだけで全体では大きな違いになると思いますから。みんなで意識してやっていきたいですね。

 選手はもちろん悔しいし、負けたいなんて思っている選手は1人もいない。ただもっともっと勝ちたいという気持ちを全面に出していかないと。簡単に勝てるリーグではないと思うので、みんなで気持ちを1つにしてやっていきたいと思います。

――今季のJ2は残り14試合です。どんなシーズンにしたいですか?

 正直、下(J3降格圏)も見えているので、落とせる試合は1つもないと思います。とにかく1試合1試合、先のことを考えず目の前の試合にみんなでぶつかっていきたいと思います。

(取材・文:豊田真大/スポーツナビ)

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