連載:指導者のエゴが才能をダメにする ノムラの指導論

「勝てるチーム」に名脇役の2番打者あり 野村克也の指導論

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第10回

史上3位の408個のバントを決めるなど、堅実な打撃と守備で活躍した黄金期のヤクルトを支えた宮本 【写真は共同】

 主役と脇役がいて、組織が成り立つ――強いチームの共通点である。
 野球というスポーツは不思議なもので、1番から9番まで4番打者をズラリと揃えたからと言って、必ずしも勝てるわけではない。むしろ機能しなくなることが多くなるのだ。

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 今から20年前の巨人の野球は、まさにその典型だった。4番とは言わないまでも、1番から8番まで、クリーンナップを打てる打者が並んだ。なんといっても、2000本安打を放ち、「巨人軍史上最高の捕手」の呼び声が高い阿部慎之助が8番を打っていたのだから、想像するに難くない。

 だが、FA制度が施行された93年以降の10年間、巨人はリーグ優勝4回、日本一3回に輝いたものの、連覇は一度もしていない。とくに鳴り物入りで巨人に移籍した清原和博が移籍しても、巨人は3年間優勝できなかった。
 こうなった原因ははっきりしている。それは「名脇役が少なすぎた」からだ。
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