連載:指導者のエゴが才能をダメにする ノムラの指導論

誰もがイチローや大谷翔平になれるわけではない 野村克也の指導論

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第7回

イチローや大谷(写真)は、天賦の才にも恵まれつつ、人一倍の努力を積み重ねてきた 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

 プロ野球の世界は、誰もが認める即戦力の選手がいる一方で、キラリと光るダイヤの原石を持った、未知数の選手もいる。チームとして是が非でもほしいのは「即戦力の選手」というのが本音だが、その一方で「今ではなく、2〜3年先を見据えた」補強をすることも珍しくない。

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 組織とは難しいもので、たとえ今、隆盛を極めていても、3年先、5年先も同じように繁栄しているとは限らない。ちょっとでもあぐらをかいてしまえば、瞬く間にライバルにその座を奪い取られてしまうなんてことも、往々にしてあるものだ。

 そこで私は、ドラフトの上位指名の選手だけでなく、下位指名の選手もくまなくチェックしていた。彼らがダイヤの原石だとしたら、どう磨けば光り輝くことができるのか、そのことを思案したりもした。
 たとえば「身体能力は素晴らしいが、打撃、守備のいずれとも劣っている」選手がいたとする。このような選手だとしたら、私ならば間違いなく「守備の能力」を向上させる。肩が強く、俊足であれば、間違いなく守備固めで起用することができるからだ。それに打撃にはスランプがあるが、守備にはスランプはない。シーズンを通して一定の活躍が期待できるのは打撃ではなく、守備である。
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