甲子園という最高の舞台を彩る応援曲 球児が好む曲調は「2つのパターン」がある
昭和歌謡からクラシックまで、多岐にわたる応援曲
甲子園という大舞台を、より華やかに彩る応援曲 【写真:岡沢克郎/アフロ】
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20世紀でダントツの最多得票となった「アフリカン・シンフォニー」は、ディスコブームの起点となった「The Hustle」のヒットで知られるヴァン・マッコイの楽曲。1974年にリリースされたアルバム「Love is the Answer」に収録されていたもので、日本では77年に吹奏楽版の楽譜が発売されるやいなや、吹奏楽界でも大ヒット。発売元のヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス出版部によると、同曲を扱う「ニューサウンズ・イン・ブラス」シリーズにおいて、直近5年間でも「人気曲ベスト10に入っている」という。毎年多数の新譜が発売される吹奏楽界において、40年以上前にリリースされた曲がいまだにベスト10入りしているというのは相当すごいこと。人気の裏には、野球応援効果も多分にあるのではないだろうか。
2位、3位と並んだ「サウスポー」と「狙いうち」も、高校野球界で長く愛されている応援曲。多くの学校が「お前が打たなきゃ誰が打つ」という替え歌の歌詞で歌うが、話題になった中日ドラゴンズの「お前問題」もどこ吹く風。地方大会でも実に多くの学校が、今まで通りメガホンで「お前」と叫びながら、選手たちもその大声援に応えるかのように懸命にプレーしていた。
「勇ましい曲」と「1つになる曲」
作新学院などが演奏する「炎のファイター〜INOKI BOM-BA-YE〜」。選手の心を奮い立たせる“勇ましい曲”の代表格だ 【写真:岡沢克郎/アフロ】
格闘技の入場曲にも使われる曲が、まさに「勇ましい曲」の代表格で、アンディ・フグの入場曲「We Will Rock You」、スタン・ハンセンの「サンライズ」、アントニオ猪木の「炎のファイター 〜INOKI BOM-BA-YE〜」がランクイン。やはり、これらの勇ましさを感じる曲には、男の闘争心を奮い立たせる何らかの要素があるのだろうなと感じる。
後者の「盛り上がる曲」については、代表格ともいえるのが「サンバ・デ・ジャネイロ」だ。もともと応援によく使われていた曲だが、近年「ハイヤハイヤ」「エッサエッサ」「アゲアゲホイホイ」などとコールしながら、メガホンを持って足を上げて応援する、通称「アゲアゲホイホイ」が大流行中。兵庫県の報徳学園が発祥で、「盛り上がる」と瞬く間に全国へと広まり、2017年夏の甲子園では実に半数近くの学校が同曲を採用していた。