「G1クライマックス」優勝の行方は? オカダvs.飯伏、内藤vs.ホワイトに注目

堀江ガンツ

内藤とジェイのコンディション差が明暗を分ける?

レインメーカーを決めるオカダ。早くも貫禄が漂い始めた 【(c)新日本プロレス】

 そして“クライマックス”となる武道館3連戦。Aブロック公式戦最終日となる8.10で最も注目すべきカードは、やはりオカダvs.飯伏の一戦だろう。

 オカダが勝てば、IWGPヘビー級王座戴冠、NEW JAPAN CUP制覇と合わせて、年間グランドスラム達成が一気に現実味を帯びてくる。飯伏が勝って逆転での優勝戦進出となれば、悲願の初優勝へ大きく前進する。

 一方、Bブロック公式戦最終日、8.11は内藤vs.ジェイ、モクスリーvs.ジュース・ロビンソンに注目。ジュースはすでに優勝戦線から脱落しているが、公式戦最後の相手であるモクスリーは、6.5両国大会で虎の子であるIWGP USヘビー級のベルトを奪われた因縁の相手。ここは意地でも負けるわけにいかないだろう。

 そしてジュースがリベンジを達成し、モクスリーの優勝決定戦進出を阻むことができたなら、内藤vs.ジェイの注目度が俄然(がぜん)増すこととなる。内藤は、IWGPインターコンチネンタル王座とIWGPヘビー級王座の同時戴冠を狙っており、そのためにもG1優勝を果たし、2020年の1.4&1.5東京ドーム大会でIWGP王者との頂上対決という青写真を描いている。

 対するジェイも、4.6マディソン・スクエア・ガーデンでオカダに奪われたIWGPヘビー級王座を奪回するため、そして“新時代”到来を印象付けるためにも、G1制覇は欠かせない。

 ただ、コンディション的には、各所にケガを抱える内藤より、ジェイの方が明らかに上。5週間の長丁場でさらに蓄積したダメージを内藤が跳ね返すことができるかが勝負のカギとなるだろう。

飯伏優勝へ、機は熟した

前IWGPヘビー級王者のジェイ。まさかの連敗スタートだったが、巻き返した 【(c)新日本プロレス】

 はたして、今年の「G1クライマックス」を制するのは誰なのか。プロレス界で最も過酷で、世界最大のリーグ戦を勝ち抜くためには、優勝への思いの強さ、そしてファンのその選手に対する思いの強さが、最終的にモノを言うような気がしてならない。

 その意味で飯伏は、G1優勝、IWGP戴冠をここ数年ずっと期待されてきた選手。昨年のG1はあと一歩のところで優勝を逃していることもあり、G1制覇への思いはさらに強くなっているだろう。また、今年になって正式に新日本プロレス所属となり、こだわりのベルトであったIWGPインターコンチネンタル王座も奪取した。G1公式戦では“神”とあがめる棚橋弘至にも勝利するなど、機は熟したと言える。

 以上のことを踏まえて、筆者は飯伏幸太vs.ジェイ・ホワイトの優勝決定戦。そして飯伏悲願の初優勝を予想する。

 とはいえ、最後まで何が起こるか分からないのがG1クライマックス。武道館3連戦後のドラマも含めて、見逃すことはできない。

(企画構成:株式会社スリーライト)

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著者プロフィール

1973年、栃木県足利市生まれ。『紙のプロレスRADICAL』編集部を経て、2010年よりフリーライターに。『KAMINOGE』(東方出版)を中心に、『Number』(文藝春秋)、『昭和40年男』(クレタ)、『BUBKA』(白夜書房)ほか、各種プロレス・格闘技のムックや単行本など、数多くの媒体で執筆。WEBでは『Nuber Web』で隔週コラムを連載中。主な編著書は玉袋筋太郎、椎名基樹との共著『プロレス取調室』シリーズ(毎日新聞出版)。WOWOW『究極格闘技-UFC-』、BSスカパー!『PRIDEヘリテージ』など、格闘技のテレビ解説も務める。今年、プロレス・格闘技取材歴20年を迎えた。

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