五輪まであと1年、競泳陣の活躍を占う メダル6個の世界水泳から見えた可能性
光州世界大会で金2、銀1のメダルを獲得した瀬戸大也 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
過去、五輪前年に行われた世界水泳代表選手が、そのまま五輪で活躍するケースが多い。あらためて、2012年ロンドン五輪、16年リオデジャネイロ五輪の2大会と、その前年の世界水泳の結果から、来年に控えた東京五輪の展望を読み解いていきたい。
上海の勢いを持続させたロンドン五輪
ロンドン五輪の競泳日本代表は、男子が13人中8人、女子は14人中7人が前年の上海世界水泳の代表選手だった。個人種目でのメダル獲得選手も萩野以外は前年の世界水泳に出場していた。 【画像:相河俊介】
その結果、世界水泳でメダルを獲得した松田が200mバタフライで銅メダル、入江が100m背泳ぎで銅、200m背泳ぎで銀メダルを獲得。さらに寺川が100m背泳ぎで銅メダル獲得と、世界水泳で得た勢いをきっちりとロンドン五輪につなげた形だ。そこに、世界水泳で結果が残せなかった悔しさを晴らすように、鈴木聡美(ミキハウス)と立石諒、星奈津美の3人がメダルを手にした。加えて、当時高校生だった萩野公介(ブリヂストン)が、マイケル・フェルプス(米国)を破るという快挙を成し遂げ、銅メダルを獲得。彼らのほとんどが、自己ベストを更新してのメダル獲得だった。
付け加えておくと、フェルプスが引退するまでの間に、彼の前を泳いだ日本人選手は、萩野ただひとりである。それと、上海世界水泳で堀畑が個人メドレーで日本人初となるメダルを獲得したことが、「日本人も個人メドレーで戦えるんだ」という思いを持たせたことを忘れてはいけない。