「1強」から一転、「群雄割拠」の新時代 2019年インハイバレー【男子展望】

月刊バレーボール

展開次第で上位も狙える有力校は?

東福岡の2年生エース、柳北も注目だ 【写真提供:月刊バレーボール】

 上記3校はいずれも優勝できるだけの力があると見られるが、東山はノーシードのため、予選グループを通過したとしても決勝トーナメントでどこの山に入るかは不明。それが今回のインターハイにおける勝ち上がり予想を難しくさせている。優勝候補が早々にぶつかりあう一方で、有力校が上位進出、そして頂点へ突き抜ける、そんな展開も待っているかもしれない。ここからは有力校を挙げよう。

 今シーズンに入ってから都大会などを含めて5度、駿台学園に敗れている名門・東亜学園(東京/6年連続35回目)は中学生時代に実績を持つ選手がずらりと並び、地力はある。井上麟太郎、中道優斗らが“打倒・駿台学園”の思いを強くしながら、全国の舞台へ打って出る。

 東福岡(福岡/9年連続11回目)も6月の全九州大会では決勝で鎮西に敗れはしたが、虎視眈々と頂点を狙っている。2年生エースの柳北悠李は跳躍力を生かしてパワフルなスパイクを炸裂させ、サウスポーの松岡拓弥、次期エース候補の坪谷悠翔ら、攻撃の枚数がそろっている。予選グループではいきなり駿台学園と対戦することが決まっているが、勝てば弾みがつくこと間違いなしだ。

 攻撃的といえば、松本国際(長野/7年連続9回目)もあなどれない存在といえるだろう。ジャンプサーブを打てる選手が多く、またポジションの枠に捉われずに、両サイドやセンターエリアから多彩なアタックを仕掛けられる点が今シーズンの強み。下級生時からレギュラー入りを果たしてきた柳田歩輝が主将としてけん引する。

 また、男子U19日本代表候補の砂川裕次郎と橋本岳人のWエースを要する埼玉栄(埼玉/6年連続10回目)や、例年オフェンシブな選手が並ぶ開智(和歌山/25年連続25回目)、昨年度、春高バレー準優勝の清風高(大阪/5年連続27回目)も、チームとしての力が全国的に見ても高いと見受けられる注目のチームだ。

開催地・宮崎の代表校も要注目

アルマスアラインを擁する都城東は台風の目となるか 【写真提供:月刊バレーボール】

 そして開催地・宮崎県の学校も今大会では注目の存在。県第1代表の都城工(35回目)はエースの黒木奨輝が攻守の要となり、「入学する前から自分たちの代での地元開催は決まっていました。感謝の気持ちを持って戦いたい」(黒木)ときたる全国大会へ思いを馳せる。県第2代表の都城東(初出場)も、U18キューバ代表経験を持つ留学生アタッカー、デ・アルマスアラインのプレーは強烈で、台風の目となりうる。

 このほか、初出場の明和県央(群馬)と徳島科学技術(徳島)、今年1月の春高バレーでベスト16入りを果たし今回のインターハイには実に53年ぶり(4回目)の出場となる多度津(香川)にとっては、新しい歴史を刻む夏になることだろう。

 昨年度は「1強」の見方が強かった高校男子バレーボール界だが、一転して今年は「群雄割拠」。シーズン最初の全国大会でどのチームが覇権をにぎるか、注目したい。

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著者プロフィール

1947年創刊。バレーボールの専門誌として、その黎明期から今日まで、日本のバレーボールを取り上げ、その報道内容は、全日本、Vリーグはもちろん、小・中・高・大学生、ママさんまで、多岐に渡る。

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