箱根駅伝選手サポート中のスポーツ栄養士が教える!夏ランの水分補給
【写真:アフロ】
これから夏本番!というわけで熱中症予防も兼ねた適切な水分補給についてお話しさせていただきます。
1. 水分の役割
・溶解作用
・運搬作用
・体温保持
今回は主に体温保持のための発汗に焦点を当てていきたいと思いますが、ランニング中の発汗によって血液量自体が減少し、運搬機能が低下し、これによってパフォーマンスは低下するということも覚えておいて欲しいです。
しかし、発汗がないと体内に熱がこもり、重度な熱中症を引き起こします。汗の量(水分損失率)が3%を超えると危険な状態になると言われています。そのため、水分損失率を2%以内に抑えることを目標に走る前や走っている間の水分補給が重要になってきます。水分損失率はランニング前後の体重測定によって確認することが出来るので汗をかく時期になったら走る距離や時間に応じてどれくらい汗をかいているか一度確認しておいた方が良いでしょう。
表1 脱水の主な症状 【スポーツナビDo】
2. 水分補給の方法
5〜10ml/kg体重の水分
例えば60kgの人なら300〜600mlを2〜4時間かけて、少しずつ飲んで状態を整えていきましょう。
体内の水分量を上げておいてから走るということです!
★目安:薄い色の尿がしっかり出ていること
<ランニング中>
こまめに摂取する
★目安は1リットル/時間と言われていますが、ランニング中は困難だと思います。ですので、余計に練習前の補給が重要となるのです。
<ランニング後>
減った体重分を少しずつ補給する
★注意点:がぶ飲みは直後の食事量や消化に影響が出てきてしまいます。少しずつ補うようにしましょう。
3. 水分補給の内容
ドリンクの目安は以下の通りです。
・温度:5〜10度
・塩分濃度:0.1〜0.2%
・糖質濃度:4〜8%
同じスポーツドリンクという名称でも濃度が異なるので裏面の栄養成分表示を見て選べるとよいですね。
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適切な水分補給で夏場もランニングを楽しみましょう。
鈴木志保子:理論と実践 スポーツ栄養学,日本文芸社.2018.
日本臨床栄養協会編集委員会:New Diet Therapy ニュー・ダイエット・セラピー第33巻第1号(通巻第127号)別冊, 日本臨床栄養協会,2017.
【著者プロフィール】
鵜澤 響子
・保有資格:
公認スポーツ栄養士/管理栄養士/健康運動指導士/認定心理士/陸上競技コーチ1(2019.10登録予定)
・経歴:
中学〜短大まで陸上競技部で選手として活動し、引退後は大学駅伝部を中心に陸上長距離種目専門のスポーツ栄養士として活動。現在は上武大学駅伝部のスポーツ栄養士を務める。
スポーツ栄養士としての活動の傍ら、自身もトラック競技からフルマラソンまで楽しみながら競技を継続している。2019年の名古屋ウィメンズマラソンではエビデンスに基づいたコンディショニングで月間100kmの練習ながら念願のサブ3.5を達成。多くのランナーが長く楽しく競技を続けられるように日々奮闘中。
また、ABCRコンディショニングサロンにて栄養カウンセリングを担当。
https://salon.abcr.jp
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