連載:高校野球地方大会・全49地区展望

南北海道は神宮王者・札幌大谷が本命 地方大会の有力校を分析、北海道・沖縄編

松倉雄太

札幌大谷は下手投げの太田をはじめ、個性豊かな投手陣を擁する 【写真は共同】

 6月22日から、いよいよ夏の高校野球・地方大会が幕を開ける。南北海道大会と沖縄大会を皮切りに、どんな熱い試合が繰り広げられるだろうか。高校野球ライターの松倉雄太さんに全地区の戦力を分析してもらい、今夏の有力校を占っていく。第1回は北海道・沖縄編。

(編集部注:校名の横の記号は◎が本命、○が有力、△が要注意校)

北北海道

◎釧路湖陵
○旭川大高
△滝川西


 全道で秋ベスト4、春ベスト8の勢いを買って、釧路湖陵を本命に推したい。投手陣にやや不安があるが、3番・古川敢太、5番・更科夕稀(ともに3年)を中心に投手陣を補う打線が強力。フルスイングと全力疾走で観衆を魅了する。

 昨夏代表の旭川大高も、主将で捕手の持丸泰輝、遊撃手の菅原礼央(ともに3年)を中心に打線に力があり、守備も安定している。投手陣は能登嵩都、杉山大晟(ともに3年)らが成長してきた。試合中にタイムを取らないスピーディーな野球で連覇を狙う。

 滝川西はエースの山崎琳久(3年)、左サイドの岩崎拓巳(2年)と投手陣が安定。夏に強い白樺学園、旭川実、クラーク国際、春の全道に出場した士別翔雲、遠軽、帯広大谷なども虎視眈々(たんたん)と大会制覇を狙っている。

南北海道

◎札幌大谷
○駒大苫小牧
△苫小牧工


 秋の全道王者で、神宮大会も制してセンバツに出場した札幌大谷を本命に推したい。右下手投げの太田流星(3年)、春は故障で登板機会が少なかった西原健太(3年)のWエースを中心に投手陣は安定。打線はケガで春の全道での出場ができなかった石鳥亮(3年)の復調がカギになりそうだ。

 春の全道王者・駒大苫小牧は12年ぶりの夏を狙う。春準決勝と決勝を完投した2年生エースの北嶋洸太が大きく成長。2004年、夏の甲子園初優勝時に主将だった佐々木孝介監督の期待も大きい。

 春準優勝の苫小牧工は4番・三上謙人(3年)を中心に、全道大会2試合で二桁得点した打線が自慢。47年ぶりの夏を目指して、まずは室蘭支部を勝ち上がりたい。

 センバツ出場の札幌第一、高校日本代表一次候補の右腕・小林珠維(3年)を擁する東海大札幌など、札幌勢にも力はある。春の札幌支部予選で札幌大谷を破った札幌光星は、初戦で北海と対戦する可能性がある。

 昨夏代表の北照、春の全道に出場した小樽双葉などが、たった1つの代表枠を争う小樽支部予選にも注目だ。

沖縄

◎興南
○沖縄水産
△北山


 春の沖縄大会で優勝し、九州準優勝の実績を残した興南が大本命。1年夏から2回甲子園を経験した149キロ左腕・宮城大弥(3年)は、高校日本代表候補の研修合宿を経て、さらに成長。九州大会では4試合26イニングで41個の三振を奪った。捕手の遠矢大雅(3年)も昨年から経験があり、バッテリーの安定感は全国屈指。野手も1年時から活躍する二塁手の根路銘太希(3年)ら俊足好打の選手がそろう。

 対抗は21年ぶりの出場を狙う沖縄水産。久米島出身の140キロ右腕・國吉吹(3年)は、昨秋の県準決勝で沖縄尚学を相手にノーヒットノーランを達成。夏も勝ち上がれば3回戦で沖縄尚学と再戦の可能性があり、大会の行方を占う一戦になるかもしれない。

 188センチ右腕・金城洸汰(3年)を擁する北山は春準決勝で興南と延長14回タイブレークの激闘を演じた。夏も勝ち上がれば準決勝で興南と対戦するブロックを引き、リベンジに燃える。
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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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