数々のドラマを生み出したNBAドラフト マイケル・ジョーダンも3番目指名だった
(3)2007年:史上最高級のスナイパー、デュラントを逃したブレイザーズ
学生時代の活躍は遜色なかったグレッグ・オデン(写真右)とケビン・デュラント 【Getty Images】
どちらが1位指名されてもおかしくはない前評判の中、全体1位指名権を持っていたブレイザーズはオデンを指名。当時のブレイザーズにはガードにブランドン・ロイ(元ブレイザーズほか)、フォワードにラマーカス・オルドリッジ(現サンアントニオ・スパーズ)という核となる選手がおり、オデンを加えてセンターを強化しようとしていた。
ところが、オデンは膝の負傷によりルーキーシーズンを全休。その後の2シーズンこそNBAのコートに立ったものの、相次ぐケガにより14年にはNBAから姿を消すことに。一方のデュラントは、1年目から平均20得点以上を奪って新人王に輝くと、今季終了時点でNBA歴代6位の平均27.02得点を記録し、リーグのベストプレーヤーの1人として君臨している。
(4)2011年:最下位指名という屈辱を受けた175センチのアイザイア・トーマス
最下位指名のアイザイア・トーマスがその後、名門セルティックスで活躍することとなる 【Getty Images】
そんな中、2巡目全体60位という最下位で指名された小兵がいた。それが175センチ83キロと筋骨隆々の肉体を持ち、クイックネスと得点力に秀でたアイザイア・トーマス(現デンバー・ナゲッツ)だった。サクラメント・キングスからドラフト指名されると、トーマスはキャリア3年目で平均20得点の大台を突破。
その後フェニックス・サンズを経て15年2月にボストン・セルティックスへ加入したトーマスは、16、17年に2年連続でオールスター入りし、16−17シーズンにはリーグ3位の平均28.9得点を記録するリーグ有数のスコアリングガードへと成長を遂げた。
(5)2018年:花の84年組以来のトップ5指名がベスト5選出
2018年ドラフトのトップ5の象徴と言えるルカ・ドンチッチ(写真左)とトレイ・ヤングのマッチアップ 【Getty Images】
エイトンは得点とリバウンドで平均ダブルダブルを達成し、バグリー3世とジャクソンJr.は長身オールラウンダーとしてインパクトを放ったのだが、最も注目を浴びたのはドンチッチとヤング。ドラフト当日にトレードされた両選手は、所属チームのけん引役として大活躍。ドンチッチはいずれもチームトップとなる平均21.2得点7.8リバウンド6.0アシスト、ヤングは平均19.1得点にルーキートップの8.1アシストをマーク。両選手ともクラッチショットやハイライトシーンに残るような華やかなプレーを連発させ、多くのファンの注目を集めたことは記憶に新しい。
そして、5月22日(同21日)に発表されたオールルーキーファーストチームには、満票となったドンチッチとヤングを筆頭に上位5選手が選出。これはジョーダンやオラジュワン、チャールズ・バークリー(元サンズほか)がドラフトされた84年以来初の快挙となった。
(文:秋山裕之/バスケットボールキング)