卓球のために「親も友達も捨てて…」 現実味増す“打倒中国”の土台にあるもの

構成:スポーツナビ
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張本(右)ら若い世代の台頭は、長く日本卓球界を引っ張ってきた水谷(左)ら先輩たちの築いた土台の上にあった 【写真:なかしまだいすけ/アフロ】

 世界一の卓球王国・中国が、いまやライバル視するまでになった日本。日本卓球協会強化本部長の宮崎義仁氏は、21日に開幕する世界選手権個人戦(ハンガリー)で頂点に立つことを「現実的な願い」と語る。しかし、ここまで強くなった背景には、長く日本卓球界を引っ張ってきた先人たちの苦労、協会による戦略的な強化プログラムがあった。

かつては言葉にできないほどの差があったが……

 私が日本卓球協会でジュニア世代の強化に乗り出したのは2001年10月、代表の男子監督に就任したことがきっかけでした。代表監督の任を引き受ける際、条件の一つとして小学生のナショナルチーム、後のホープスナショナルチームの創設を求めたのです。

 この年の4月に大阪で開催された世界選手権で、女子代表はダブルスと団体戦で銅メダルを獲得しましたが、男子代表は個人戦がメダルなし、団体戦は当時過去最低の13位に沈んでしまいました。当時から世界の卓球界を席巻していた中国との間には、言葉では説明できないほどの力の差がありました。

 どうすれば中国に追いつき、かつて「卓球ニッポン」と呼ばれた栄光を取り戻せるのか。そんな自問を続けた結果、将来の日本卓球界を背負うジュニア世代の強化システムを整えるのが急務だと考えたのです。
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