『華麗なる甲子園一族』龍谷大平安・奥村 大胆にホームランにこだわる理由
祖父、父、兄に次いで甲子園出場を果たしている龍谷大平安・奥村。2年生の彼が大胆にホームランを狙う理由とは? 【写真は共同】
センバツ準々決勝第2試合。龍谷大平安(京都)に延長11回サヨナラ勝ちした明豊(大分)の左翼手・布施心海は、試合終了のあいさつが済むと、平安の三塁手・奥村真大に声をかけられた。
「ありがとうな」
布施と奥村は、中学時代からの知り合い。奥村が草津シニア時代、最後の試合で敗れたのが布施のいた豊中シニアだ。布施はこう振り返る。
「奥村の最後の試合では、僕がホームランを打っているんです。その奥村と、甲子園でまた試合ができるなんて……。シニアのとき、監督から『あのショート(奥村)はすごくうまいぞ』と聞いていましたが、そもそも有名な選手なので、知ってはいました」
そう。奥村はいわば、『華麗なる甲子園一族』なのである。
祖父から3代、甲子園の土を踏む
そして、奥村本人。昨夏は、1年生として甲子園の土を踏んでおり、つまり奥村家は祖父から3代、甲子園で試合をしていることになる。父のチームでプレーする、という選択肢はなかったのか。
「兄も県外に行きましたし、父は、自分の学校に来てほしかったようです。ただ、頭のいい学校で、入学したとしたら勉強も大変で、野球に集中できなくなると思って、平安に進みました。父も、『甲西じゃなかったら、(滋賀)県外に出たらどうだ』と話していましたから、息子のチームと戦うかもしれないのはイヤだったようです」