立川理道「チームを引っ張っていきたい」 “練習生”からラグビーW杯出場へ
ジャージも違う「練習生」として合宿へ
ジャージの違う「練習生」から再びチャンスをつかんだ 【斉藤健仁】
そんな中、吉報は思ったよりも早くやってきた。中村が休養に入り、CTBシェーン・ゲイツが負傷した影響で、立川は3月5日から日本代表候補に練習生で招集された。
実質3日しかない状況で立川は「また代表の活動に参加できるチャンスをもらってうれしいです。早く戻れたことが自分の中でプラスになる。形としては練習生ですし、ジャージも違ってセレクションの中では一番下のレベルだと思いますが、主将やリーダーといった背負うものはないですし、いろいろな人のためにプレーしたいという気持ちが強い。目の前のことをしっかりやり切れば」と練習に集中していた。
サンウルブズで「少ない出場時間でもアピールしていきたい」
ライオンズ戦で激しいディフェンスを見せる立川 【写真:ロイター/アフロ】
「(置かれている立場は)セレクションでもまだまだ低いと思うので、今いる立場でパフォーマンスを出すことが大事。ただディシプリン(規律)の部分や勝ち切れないという部分で、自分のできることはコミュニケーションで周りの選手を動かせることだと思いますし、その経験を生かしてチームを引っ張っていきたい。ただケガ人が戻れば自分の立場がどうなるかわからないので、少ないチャンス、少ない出場時間でもアピールしていきたい」(立川)
目標は「ワールドカップで勝つこと」
日本代表としてワールドカップ出場、勝利を目指している 【写真:アフロ】
それでも全体的なパフォーマンスが良かったこと、まだリトルが復帰しなかったこともあり、立川はオーストラリア遠征のメンバーに選出された。ただジョセフHCの信頼が厚いラファエレ、昨年11月の日本代表に続きサンウルブズでも良いプレーを続けている中村といったライバルに負けないような、強い印象を与えるプレーを続けないといけない立場は変わらない。
主将経験があり日本代表55キャップを誇る立川は、自身のプレーに目を向けつつも「ワールドカップの最終メンバーに残ることが目標ではないですし、しっかりと(ワールドカップ)勝つことが大事。そこに向けて、置かれている立場で自分をアピールすることが重要」と、あくまでもチームとしてワールドカップで勝利を重ねることを念頭に置いている。
2019年ワールドカップは自国開催だからこそ、注目され、日本代表選手には大きなプレッシャーも出てくる。2016年以降、クボタだけでなく、日本代表、サンウルブズでも主将を務めてきた立川だからこそ、その重圧の中でも正確な判断、的確なプレーをしてくれるはずだ。その経験値はチームと勝利に必要なワンピースになると信じている。