【UFC】ベストファイト|2024年UFC.comアワード
【UFC】
後の最後に決まったノックアウトからスリリングな判定勝ちまで、ここに挙げた10試合にはファンが2024年に求めるすべてが含まれていた。
『UFC.com』が非公式に選ぶ2024年のベストファイトを振り返ってみよう。
1. エステバン・リボビクス vs. ダニエル・ゼルフーバー(29-28、28-29、29-28でリボビクスのスプリット判定勝ち)
現地夕方のメインカード2試合目に行われたダニエル・ゼルフーバーとエステバン・リボビクスの対戦は、拮抗(きっこう)した素晴らしいキックボクシングバトルとなり、ラウンドを重ねるごとに出力と強度は増していった。
最初の2ラウンドでは、上昇中のライト級ファイターであるゼルフーバーが効率的な攻撃で多様な技を決めていったが、リボビクスもよりベーシックなアタックに終始して、成功を収めていた。試合が動いたのは第3ラウンド、序盤にゼルフーバーがリボビクスにパンチを命中させ、これにリボビクスも応戦。ゼルフーバーに大きなダメージを与えた。その後、ゼルフーバーはどうにか持ち直し、2人の勝負は最後のホーンへと持ち越された。
まさに白熱の試合で、同時に大接戦でもあり、ジャッジたちがどうスコアを付けるのか、誰もが興味津々で見守った。結果、3人のジャッジ全員が29-28を出し、リボビクスがスプリット判定の勝者となった。
2人の優秀なファイターで、デイナ・ホワイトのコンテンダーシリーズ卒業生による、極めてスリリングな戦いだった。
2. アレックス・ペレイラ vs. カリル・ラウントリーJr.(第4ラウンド4分32秒で打撃によってペレイラがテクニカルノックアウト勝ち)
人々が予想したよりもはるかに熾烈(しれつ)な戦いだったが、アレックス・ペレイラがUFC 307の締めくくりとして、第4ラウンドで挑戦者カリル・ラウントリーJr.をフィニッシュして、今年3度目となるライトヘビー級王座の防衛に成功した。
最初の2ラウンドで強打を命中させていたのはラウントリーJr.で、そのスピードとサウスポーのスタンスによって王者ペレイラはややスローダウンを強いられている様子だった。しかし、試合が進んでペレイラが自分のレンジとタイミングをつかむと、巨大なブラジル人王者は地元ラスベガス出身のラウントリーJr.に反撃を開始、強打を浴びせ、打ち砕いて第4ラウンドの終盤にフェンス際へと追い込んだ。
ここまでのペレイラのUFCでの記録は比類なきものとなっており、オクタゴンでは現在9勝1敗、2つの階級で王座を手にし、今年は200日以内に3回の王座防衛に成功している。ラウントリーJr.の努力も大いに称賛に値するが、ブラジル人王者はケージに入るたびに脅威の存在感を示し続けている。
3. マックス・ホロウェイ vs. ジャスティン・ゲイジー(第5ラウンド4分59秒で右フックによってホロウェイのノックアウト勝ち)
マックス・ホロウェイは、UFCのBMFタイトルを手にした最新のファイターとなっている。UFC 300のメインカード半ばで、ジャスティン・ゲイジーに対し、見事なパフォーマンスを決めて獲得した象徴的ベルトだ。それは、見たこともないほどすさまじいノックアウトで決まった。
最初からシャープさを見せた元フェザー級王者は、長いパンチを使って序盤にゲイジーを攻めていき、第1ラウンドの終わりにスピニングバックキックによって相手の鼻を破壊した。そこからはホロウェイが常に打撃で上回り、最初の15分間にわたって、絶妙に反撃をかわしながら、何度もゲイジーにパンチを命中させる。
第4ラウンドではゲイジーの方が上回り、痛めつけたホロウェイのリードレッグにローキックを打ち続けた。しかし、ホロウェイも負けじと反応し、戦いは第5ラウンドに持ち込まれた。そこで、すべては起こった。
残り10秒を知らせるクラッカーが鳴ると、ホロウェイはUFC 199のリカルド・ラマス戦と同じように、ゲイジーをオクタゴンの中央に立つよう、誘った。ゲイジーもそれに応え、2人はお互いに次々とパンチを繰り出し始めた。ホロウェイの右手がゲイジーの顎を直撃し、ゲイジー完全にノックアウトされた。
どこを取っても予想通りに魅力的なバトルで、長年フェザー級を支配してきたホロウェイにとっては、地球上で最凶の地位を確立する見事なパフォーマンスだった。
4. イスラム・マカチェフvs. ダスティン・ポワリエ(第5ラウンド2分42秒でダースチョークによってマカチェフの1本勝ち)
第5ラウンドで1本勝ちしたイスラム・マカチェフは引き続きUFCライト級王者として君臨している。
第1ラウンドで素早くポワリエをキャンバスに沈めたマカチェフは、バックを取り、ラウンドの終わりまでそのポジションを維持した。ポワリエも終始よく守り、試合の残りはどちらかというと断片的で競争的だった。挑戦者のポワリエはテイクダウンをうまく防御し、マカチェフは王座に就いてから初めての血みどろで過酷なバトルを強いられた。
どちらも血まみれになりながら、最終ラウンドに集中力を高めていった。ラウンド半ば、オクタゴンの中心でポワリエをつまずかせたところにマカチェフが飛びかかる。一瞬、ギロチンチョークを狙ったマカチェフだったが、ダースチョークに切り替え、すぐにタップを引き出した。
これでマカチェフは王座防衛に3度成功し、14連勝でライト級の頂点に君臨し続ける。階級内の王座防衛記録では他に4人のファイターと並び、UFCの連続勝利ではアンデウソン・シウバの記録にあと2勝と迫った。
5. ダスティン・ポワリエ vs. ブノワ・サン・デニ(第2ラウンド2分32秒で打撃によってポワリエのノックアウト勝ち)
ダスティン・ポワリエが息詰まるプレッシャーとタフな場面をしのいで、第2ラウンドでノックアウト勝ちし、ブノワ・サン・デニの上昇にストップをかけた。
サン・デニは試合を通してポワリエに向かっていき、第1ラウンドでは防御を気にせず、レスリングとフィジカリティを使って相手を上回ろうとした。ポワリエは第2ラウンドでパンチを増やしていき、フェンス際でスタンド攻撃に力を入れる。すると力強い打撃でサン・デニをダウンさせると、キャンバスで連打を浴びせて勝利を決めた。
前戦で敗北を喫していたポワリエにとって、上昇中の脅威との対戦にはリスクが伴ったが、機会を最大限に生かしたこのフィニッシュはとても大きなものだった。これでポワリエはUFCで22勝、ロースターで最もアクティブでエンターテイニングなファイターとして知られている。
6. マテウシュ・レベツキ vs. ムフトベク・オロルバイ(29-28、29-28、28-29でレベツキのスプリット判定勝ち)
マテウシュ・レベツキとムフトベク・オロルバイは160パウンドのキャッチウェイト戦で激戦を繰り広げ、3ラウンドに渡ってエティハド・アリーナのファンを熱狂させた。血みどろの戦いの末、スプリット判定で勝利したのはレベツキだった。
スコアは29-28、29-28と28-29でで、レベツキは20勝2敗となっている。オロルバイは13勝2敗1分に後退した。
オロルバイは最初のラウンドで繰り返し左手を食らいながらもまったく動かず、タフさを見せつけたが、顔の方はそうはいかず、ラウンドの終わりには右目が腫れてほとんどふさがってしまった。オクタゴンサイドの医師はオロルバイの続行を許可し、第2ラウンド開始時には緊張感も見られたが、レベツキは何度か打撃を受けながらも狙いを澄ませていた。残り90秒を切ったところでオロルバイが短いテイクダウンを取り、頭部の衝突があったレベツキは右目の上にカットを負った。2人が起き上がると、オロルバイが自分のペースを維持していく。しかし、第3ラウンドが始まると、レベツキがようやくオロルバイをダウンさせ、相手を上回る。勇敢に立ち上がったオロルバイだったが、ボロボロで血まみれになった相手にもレベツキは容赦はしなかった。驚くべきことに、ここからオロルバイはトップポジションを取り、連打を放ち始める。両者はスタンディングポジションのまま最後のホーンを聞いた。
7. ブランドン・ロイバル vs. 平良達郎(47-48、48-47、48-47でロイバルのスプリット判定勝ち)
ブランドン・ロイバルと平良達郎によるフライ級のメインイベントは、両者が125パウンド級のトップに立つことを証明する傑作だった。
出だしから、試合はその主戦場によって2つの戦いに分かれていた。打撃ではロイバルが上回り、グラップリングでは平良が腕を見せつけた。最初の2ラウンドでは両者互角の戦いを見せ、第3ラウンドではそれぞれが決定的な場面を生み出す。序盤は元タイトル挑戦者のロイバルが無敗の新星にパンチを浴びせ、終了間際には平良もやり返した。
チャンピオンシップラウンドに入った第4ラウンドでは、平良がロイバルのバックを取って流れを終始コントロールしたが、ロイバルも最後にマウントを振り切って反撃を見せた。
勝者を決めるためにジャッジが呼ばれ、スコアを計算した結果、スプリット判定で勝利を飾ったのはロイバルだった。タイトル争いの真っただ中にいるロイバルは2連勝となった。敗北を喫したものの、平良も階級内で本物の脅威であることを証明した。
8. ダン・フッカー vs. マテウス・ガムロット(28-29、29-28、29-28でフッカーのスプリット判定勝ち)
ダン・フッカーとマテウス・ガムロットの戦いは、才能あるライト級同士があらゆる手を尽くして15分間戦い続け、期待通りにどこを取っても競争的でエンターテイニングな勝負だった。
始まりはガムロットが優勢で、向上したパンチでフッカーにダメージを与えてからグラップリングに転じた。フッカーもうまく守り、第1ラウンドの終わりに向けてガムロットを揺さぶっていく。第2ラウンドは激しい熱戦となり、インパクトある打撃ではフッカーが上回ったが、ガムロットも自分の立場を守り、フッカーをキャンバスに沈める場面も見られた。第3ラウンドでは、お互いにブローの応酬が中心となり、ガムロットが時にグラップリングを仕掛けるが、そうした攻撃はほとんどフッカーによって阻まれてしまった。
ジャッジは勝者を決定する判断を強いられ、接戦の結果、腕を掲げられたのはフッカーだった。誰が見てもライト級エリートファイター同士による見事な戦いだった。
9. ジャン・ウェイリー vs. ヤン・シャオナン(49-45、49-45、49-45でウェイリーがユナニマス判定勝ち)
何という戦いだ。
何という――戦いだろう
UFC 300のセミメインイベントで、同郷のヤン・シャオナンに根性で判定勝ちし、ジャン・ウェイリーは女子ストロー級の王者にとどまった。
第1ラウンドではジャンのリアネイキドチョークが深く入り、あと数秒で試合が終わるところだった。ホーンにすくわれたヤンはふらつきながら立ち上がったが、フィニッシュを狙ってサブミッションを仕掛けるジャンに、第2ラウンドでもまたキャンバスで支配されてしまう。
挑戦者もよく守り、第3ラウンドと第4ラウンド序盤にはでは互角の戦いを見せ、疲れの見える王者を毎回ノックダウンしてみせた。しかし、ラウンド終盤にグラウンドに持ち込んだジャンは、そこから流れをコントロールし、最後まで打撃を次々と命中させた。最終ラウンドで再び戦いをキャンバスに持ち込んだジャンは、ヤンを無力化し、短い打撃で戦力を奪っていった。
3人のジャッジ全員がジャンを優位と判断し、ジャンは女子ストロー級で2度目の王座に就いてから2度目の防衛に成功した。この激しく、ハードなバトルの後で次に何が王者を待ち受けるのか、興味をそそられる。
10. ドリカス・デュ・プレシ vs. イズラエル・アデサニヤ(第4ラウンド3分38秒でリアネイキドチョークによってデュ・プレシが1本勝ち)
UFC 305の締めくくりとして、行きつ戻りつの攻防の末に、イズラエル・アデサニヤにフィニッシュを決めて、ドリカス・デュ・プレシがミドル級王座を防衛した。
最初の3ラウンドはどれも激しい接戦で、打撃を打ち合いながら、それぞれが見どころを作った。第3ラウンドと第4ラウンド序盤にアデサニヤが勢いを増し始めたが、デュ・プレシが左パンチを命中させて、アデサニヤを追い込んでいった。さらに数発の左を命中させてキャンバスに引きずり倒すと、背中に乗ってすぐにチョークを決めた。
これはミドル級王者の印象的な努力のたまものであり、戦いに生き残る能力で圧倒的存在感を放ち、現れたどんなチャンスも見逃さない才覚を存分に生かした結果といえる。デュ・プレシはUFCで8勝0敗、引き続きミドル級の頂点に君臨している。
『UFC.com』が非公式に選ぶ2024年のベストファイトを振り返ってみよう。
1. エステバン・リボビクス vs. ダニエル・ゼルフーバー(29-28、28-29、29-28でリボビクスのスプリット判定勝ち)
現地夕方のメインカード2試合目に行われたダニエル・ゼルフーバーとエステバン・リボビクスの対戦は、拮抗(きっこう)した素晴らしいキックボクシングバトルとなり、ラウンドを重ねるごとに出力と強度は増していった。
最初の2ラウンドでは、上昇中のライト級ファイターであるゼルフーバーが効率的な攻撃で多様な技を決めていったが、リボビクスもよりベーシックなアタックに終始して、成功を収めていた。試合が動いたのは第3ラウンド、序盤にゼルフーバーがリボビクスにパンチを命中させ、これにリボビクスも応戦。ゼルフーバーに大きなダメージを与えた。その後、ゼルフーバーはどうにか持ち直し、2人の勝負は最後のホーンへと持ち越された。
まさに白熱の試合で、同時に大接戦でもあり、ジャッジたちがどうスコアを付けるのか、誰もが興味津々で見守った。結果、3人のジャッジ全員が29-28を出し、リボビクスがスプリット判定の勝者となった。
2人の優秀なファイターで、デイナ・ホワイトのコンテンダーシリーズ卒業生による、極めてスリリングな戦いだった。
2. アレックス・ペレイラ vs. カリル・ラウントリーJr.(第4ラウンド4分32秒で打撃によってペレイラがテクニカルノックアウト勝ち)
人々が予想したよりもはるかに熾烈(しれつ)な戦いだったが、アレックス・ペレイラがUFC 307の締めくくりとして、第4ラウンドで挑戦者カリル・ラウントリーJr.をフィニッシュして、今年3度目となるライトヘビー級王座の防衛に成功した。
最初の2ラウンドで強打を命中させていたのはラウントリーJr.で、そのスピードとサウスポーのスタンスによって王者ペレイラはややスローダウンを強いられている様子だった。しかし、試合が進んでペレイラが自分のレンジとタイミングをつかむと、巨大なブラジル人王者は地元ラスベガス出身のラウントリーJr.に反撃を開始、強打を浴びせ、打ち砕いて第4ラウンドの終盤にフェンス際へと追い込んだ。
ここまでのペレイラのUFCでの記録は比類なきものとなっており、オクタゴンでは現在9勝1敗、2つの階級で王座を手にし、今年は200日以内に3回の王座防衛に成功している。ラウントリーJr.の努力も大いに称賛に値するが、ブラジル人王者はケージに入るたびに脅威の存在感を示し続けている。
3. マックス・ホロウェイ vs. ジャスティン・ゲイジー(第5ラウンド4分59秒で右フックによってホロウェイのノックアウト勝ち)
マックス・ホロウェイは、UFCのBMFタイトルを手にした最新のファイターとなっている。UFC 300のメインカード半ばで、ジャスティン・ゲイジーに対し、見事なパフォーマンスを決めて獲得した象徴的ベルトだ。それは、見たこともないほどすさまじいノックアウトで決まった。
最初からシャープさを見せた元フェザー級王者は、長いパンチを使って序盤にゲイジーを攻めていき、第1ラウンドの終わりにスピニングバックキックによって相手の鼻を破壊した。そこからはホロウェイが常に打撃で上回り、最初の15分間にわたって、絶妙に反撃をかわしながら、何度もゲイジーにパンチを命中させる。
第4ラウンドではゲイジーの方が上回り、痛めつけたホロウェイのリードレッグにローキックを打ち続けた。しかし、ホロウェイも負けじと反応し、戦いは第5ラウンドに持ち込まれた。そこで、すべては起こった。
残り10秒を知らせるクラッカーが鳴ると、ホロウェイはUFC 199のリカルド・ラマス戦と同じように、ゲイジーをオクタゴンの中央に立つよう、誘った。ゲイジーもそれに応え、2人はお互いに次々とパンチを繰り出し始めた。ホロウェイの右手がゲイジーの顎を直撃し、ゲイジー完全にノックアウトされた。
どこを取っても予想通りに魅力的なバトルで、長年フェザー級を支配してきたホロウェイにとっては、地球上で最凶の地位を確立する見事なパフォーマンスだった。
4. イスラム・マカチェフvs. ダスティン・ポワリエ(第5ラウンド2分42秒でダースチョークによってマカチェフの1本勝ち)
第5ラウンドで1本勝ちしたイスラム・マカチェフは引き続きUFCライト級王者として君臨している。
第1ラウンドで素早くポワリエをキャンバスに沈めたマカチェフは、バックを取り、ラウンドの終わりまでそのポジションを維持した。ポワリエも終始よく守り、試合の残りはどちらかというと断片的で競争的だった。挑戦者のポワリエはテイクダウンをうまく防御し、マカチェフは王座に就いてから初めての血みどろで過酷なバトルを強いられた。
どちらも血まみれになりながら、最終ラウンドに集中力を高めていった。ラウンド半ば、オクタゴンの中心でポワリエをつまずかせたところにマカチェフが飛びかかる。一瞬、ギロチンチョークを狙ったマカチェフだったが、ダースチョークに切り替え、すぐにタップを引き出した。
これでマカチェフは王座防衛に3度成功し、14連勝でライト級の頂点に君臨し続ける。階級内の王座防衛記録では他に4人のファイターと並び、UFCの連続勝利ではアンデウソン・シウバの記録にあと2勝と迫った。
5. ダスティン・ポワリエ vs. ブノワ・サン・デニ(第2ラウンド2分32秒で打撃によってポワリエのノックアウト勝ち)
ダスティン・ポワリエが息詰まるプレッシャーとタフな場面をしのいで、第2ラウンドでノックアウト勝ちし、ブノワ・サン・デニの上昇にストップをかけた。
サン・デニは試合を通してポワリエに向かっていき、第1ラウンドでは防御を気にせず、レスリングとフィジカリティを使って相手を上回ろうとした。ポワリエは第2ラウンドでパンチを増やしていき、フェンス際でスタンド攻撃に力を入れる。すると力強い打撃でサン・デニをダウンさせると、キャンバスで連打を浴びせて勝利を決めた。
前戦で敗北を喫していたポワリエにとって、上昇中の脅威との対戦にはリスクが伴ったが、機会を最大限に生かしたこのフィニッシュはとても大きなものだった。これでポワリエはUFCで22勝、ロースターで最もアクティブでエンターテイニングなファイターとして知られている。
6. マテウシュ・レベツキ vs. ムフトベク・オロルバイ(29-28、29-28、28-29でレベツキのスプリット判定勝ち)
マテウシュ・レベツキとムフトベク・オロルバイは160パウンドのキャッチウェイト戦で激戦を繰り広げ、3ラウンドに渡ってエティハド・アリーナのファンを熱狂させた。血みどろの戦いの末、スプリット判定で勝利したのはレベツキだった。
スコアは29-28、29-28と28-29でで、レベツキは20勝2敗となっている。オロルバイは13勝2敗1分に後退した。
オロルバイは最初のラウンドで繰り返し左手を食らいながらもまったく動かず、タフさを見せつけたが、顔の方はそうはいかず、ラウンドの終わりには右目が腫れてほとんどふさがってしまった。オクタゴンサイドの医師はオロルバイの続行を許可し、第2ラウンド開始時には緊張感も見られたが、レベツキは何度か打撃を受けながらも狙いを澄ませていた。残り90秒を切ったところでオロルバイが短いテイクダウンを取り、頭部の衝突があったレベツキは右目の上にカットを負った。2人が起き上がると、オロルバイが自分のペースを維持していく。しかし、第3ラウンドが始まると、レベツキがようやくオロルバイをダウンさせ、相手を上回る。勇敢に立ち上がったオロルバイだったが、ボロボロで血まみれになった相手にもレベツキは容赦はしなかった。驚くべきことに、ここからオロルバイはトップポジションを取り、連打を放ち始める。両者はスタンディングポジションのまま最後のホーンを聞いた。
7. ブランドン・ロイバル vs. 平良達郎(47-48、48-47、48-47でロイバルのスプリット判定勝ち)
ブランドン・ロイバルと平良達郎によるフライ級のメインイベントは、両者が125パウンド級のトップに立つことを証明する傑作だった。
出だしから、試合はその主戦場によって2つの戦いに分かれていた。打撃ではロイバルが上回り、グラップリングでは平良が腕を見せつけた。最初の2ラウンドでは両者互角の戦いを見せ、第3ラウンドではそれぞれが決定的な場面を生み出す。序盤は元タイトル挑戦者のロイバルが無敗の新星にパンチを浴びせ、終了間際には平良もやり返した。
チャンピオンシップラウンドに入った第4ラウンドでは、平良がロイバルのバックを取って流れを終始コントロールしたが、ロイバルも最後にマウントを振り切って反撃を見せた。
勝者を決めるためにジャッジが呼ばれ、スコアを計算した結果、スプリット判定で勝利を飾ったのはロイバルだった。タイトル争いの真っただ中にいるロイバルは2連勝となった。敗北を喫したものの、平良も階級内で本物の脅威であることを証明した。
8. ダン・フッカー vs. マテウス・ガムロット(28-29、29-28、29-28でフッカーのスプリット判定勝ち)
ダン・フッカーとマテウス・ガムロットの戦いは、才能あるライト級同士があらゆる手を尽くして15分間戦い続け、期待通りにどこを取っても競争的でエンターテイニングな勝負だった。
始まりはガムロットが優勢で、向上したパンチでフッカーにダメージを与えてからグラップリングに転じた。フッカーもうまく守り、第1ラウンドの終わりに向けてガムロットを揺さぶっていく。第2ラウンドは激しい熱戦となり、インパクトある打撃ではフッカーが上回ったが、ガムロットも自分の立場を守り、フッカーをキャンバスに沈める場面も見られた。第3ラウンドでは、お互いにブローの応酬が中心となり、ガムロットが時にグラップリングを仕掛けるが、そうした攻撃はほとんどフッカーによって阻まれてしまった。
ジャッジは勝者を決定する判断を強いられ、接戦の結果、腕を掲げられたのはフッカーだった。誰が見てもライト級エリートファイター同士による見事な戦いだった。
9. ジャン・ウェイリー vs. ヤン・シャオナン(49-45、49-45、49-45でウェイリーがユナニマス判定勝ち)
何という戦いだ。
何という――戦いだろう
UFC 300のセミメインイベントで、同郷のヤン・シャオナンに根性で判定勝ちし、ジャン・ウェイリーは女子ストロー級の王者にとどまった。
第1ラウンドではジャンのリアネイキドチョークが深く入り、あと数秒で試合が終わるところだった。ホーンにすくわれたヤンはふらつきながら立ち上がったが、フィニッシュを狙ってサブミッションを仕掛けるジャンに、第2ラウンドでもまたキャンバスで支配されてしまう。
挑戦者もよく守り、第3ラウンドと第4ラウンド序盤にはでは互角の戦いを見せ、疲れの見える王者を毎回ノックダウンしてみせた。しかし、ラウンド終盤にグラウンドに持ち込んだジャンは、そこから流れをコントロールし、最後まで打撃を次々と命中させた。最終ラウンドで再び戦いをキャンバスに持ち込んだジャンは、ヤンを無力化し、短い打撃で戦力を奪っていった。
3人のジャッジ全員がジャンを優位と判断し、ジャンは女子ストロー級で2度目の王座に就いてから2度目の防衛に成功した。この激しく、ハードなバトルの後で次に何が王者を待ち受けるのか、興味をそそられる。
10. ドリカス・デュ・プレシ vs. イズラエル・アデサニヤ(第4ラウンド3分38秒でリアネイキドチョークによってデュ・プレシが1本勝ち)
UFC 305の締めくくりとして、行きつ戻りつの攻防の末に、イズラエル・アデサニヤにフィニッシュを決めて、ドリカス・デュ・プレシがミドル級王座を防衛した。
最初の3ラウンドはどれも激しい接戦で、打撃を打ち合いながら、それぞれが見どころを作った。第3ラウンドと第4ラウンド序盤にアデサニヤが勢いを増し始めたが、デュ・プレシが左パンチを命中させて、アデサニヤを追い込んでいった。さらに数発の左を命中させてキャンバスに引きずり倒すと、背中に乗ってすぐにチョークを決めた。
これはミドル級王者の印象的な努力のたまものであり、戦いに生き残る能力で圧倒的存在感を放ち、現れたどんなチャンスも見逃さない才覚を存分に生かした結果といえる。デュ・プレシはUFCで8勝0敗、引き続きミドル級の頂点に君臨している。
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