己の限界に挑戦し続けた松井稼頭央
新たなチャレンジを若獅子たちと共に

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二軍春季キャンプ(高知・春野)にて。松井稼頭央の新たなチャレンジが始まった
二軍春季キャンプ(高知・春野)にて。松井稼頭央の新たなチャレンジが始まった【撮影:熊谷仁男】

 引退発表後、シーズン終了と同時に2019年シーズンからの埼玉西武ライオンズ二軍監督就任が発表された松井稼頭央。すでに昨秋季キャンプから指揮を執り、現役への未練はすっかり断ち切った。新たな挑戦をスタートさせたなか、早くも「育成」に楽しみを見いだしているという。


“選手”から“指導者”へと立場が変わり、見える景色は間違いなく変わっていくはず。自らの経験と、引退により得た新たな気付きを、どのように後輩たちに伝えていくのか。「まだ公式戦も始まっていないので、どうなるかわかりません」と苦笑するなか、指導者・松井稼頭央の見据える現時点での育成方針も垣間見えた。

引退して湧いてきた「悔い」

輝かしい実績を残しながらも、自らの野球人生に悔いが残っているという
輝かしい実績を残しながらも、自らの野球人生に悔いが残っているという【撮影:熊谷仁男】

――「できればずっと現役でやっていたい」とおっしゃいました。もしかしたら、いずれ一度は「辞めなければよかった」と思う日が訪れると思われますか?


 う〜ん……それはないんじゃないですかね。そう思うと、「悔いがありません」という終わり方はないのではないかなと、僕は思います。どんな形でも、辞めるとなったら、絶対に悔いは残っていると思う。少なくとも僕は、「納得して」とは思えていないので。それは、引退して初めて、「あー、あの時もっとこうしてれば、もっと打てたんじゃないかな」とか、「引退するってわかるんだったら、もっとやっておけばよかった」と思いました。でもそれは、終わってみないと出てこないのかもしれません。選手としてやっているなかではベストだったかもしれませんし、もちろん、そのつもりでやっていましたから。でも、のちのち引退して振り返ってみると、「こういう考え方を持ってやっていればなぁ」などと思うもの。だからこそ、後輩たちには、現役選手をやっている以上は、本当に1日1日悔いがないようにやってもらいたいなと思いますね。


 ただ、25年間という長きに渡りやらせてもらったこと自体は、当然、感謝の気持ちしかありません。決して1人ではグラウンドに立てません。みなさんの協力、家族の協力、そしてファンの声援があってこそグラウンドに立てたと思うので、そういう面での悔いはありません。


――3度の盗塁王、2度の最多安打、トリプルスリーなど、数々のタイトルや記録を残していながら、例えばどこのどの時期に、「あの時もっと」と思うような悔いが残っているのですか!?


 結果は別の話です。でも、現役の時は自分の野球人生を改めて振り返らないものですが、辞めて、「もっとバットを振っておけばよかった」とか、「もっと守備を……」とか、そういうことをいろいろと考えていくと、出てくるんですね。それを、この先指導者としてなんとか生かしていけるようにとは思っています。


――まだ頑張れたと?


 まだ頑張れたんじゃないかなと思いますね。ある意味、“終わり”ってないじゃないですか。だからこそなんだと思います。


――現役時代とは、生活も激変なさったと思います。例えば、プロ野球選手だから節制なさっていたこと、我慢していたことで、できるようになったことなどはありますか?


 ゴルフに行く回数が増えました。選手時代は、ゴルフで腰を痛めたことがあったので、「引退したらいくらでもできるだろうし、今はなるべく控えよう」と思って、そんなに行きませんでした。今年だけでも、もう結構行きました。体を動かす機会もそれぐらいしかないので、ちょうどいい運動にもなっています。ただ、スコアだけは全然ブレない! まったく良くならないです(笑)。それはそれで面白いので、これから頑張りたいなと思います。

上岡真里江

大阪生まれ。東京育ち。大東文化大学外国語学部中国語学科卒業。スポーツ紙データ収集アルバイト、雑誌編集アシスタント経験後、横浜F・マリノス、ジュビロ磐田の公式ライターを経て、2007年より東京ヴェルディに密着。2011年からは、プロ野球・埼玉西武ライオンズでも取材。球団発刊『LIONS MAGAZINE』、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)、『文春野球』(文春オンライン)などで執筆・連載中。

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