阪神競馬場 馬場づくりの裏側 GIレースを支える造園課の仕事
競馬の馬場づくりの裏側を知るため、阪神競馬場へ 【撮影:牛久保賢二】
第3回は阪神競馬場。大阪杯、桜花賞、宝塚記念などGIレースをはじめとする重賞競走も多く開催される、日本屈指の競馬場だ。1レースわずか数分の世界。その裏には、馬と騎手の命を守るため、最高の馬場(コース)づくりに挑み続ける、影の立役者がいた。
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桜花賞は「オークス」「秋華賞」と並んで、3歳牝馬にとってもっとも栄誉ある「三冠レース」のひとつだ。毎年満開の桜がコースを彩り、桜吹雪のなか競走馬が駆け抜ける光景は圧巻。競馬ファンにとっては、冬の終わりと春の訪れを感じさせる風物詩でもある。
桜花賞が開催されるのは兵庫県宝塚市にある阪神競馬場。東京競馬場や中山競馬場、京都競馬場などと並び、日本を代表する競馬場だ。一部のファンの間では「毎年なぜか桜花賞に合わせて桜が満開になる」との噂も流れている。そんな馬場を日々整備する、馬場造園課の方々に話を伺った。
競走馬や騎手の足元を支える「競馬場のグラウンドキーパー」たちは、名馬が羽ばたく舞台を、日々どのようにつくりあげているのだろうか。
「満開の桜花賞」の真相 美しさに配慮した整備
2014年桜花賞、満開の桜の中を駆け抜ける出走馬 【写真は共同】
そう語るのは、阪神競馬場 馬場造園課の青山裕介さん、瓶子正樹さん、吉田駿さんだ。
「桜花賞に向けて、開花を遅らせるために根元に氷を置いたり、逆に早めるためにストーブを置いたりする」などの、競馬ファンの間でまことしやかにささやかれていた噂は、どうやら事実ではなかったよう。
「ただ、春の桜花賞の桜はやはり我々にとっても特別なので、『どうか満開になってほしい』と祈るような気持ちではあります。自分たちの力ではどうしようもないとはわかっていても、絶好の舞台を提供したいという思いから、やはりこの時期はプレッシャーを感じてしまいますね。レース映像は今後何十年にもわたって放送され、残っていきますから」
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