G大阪の電子チケット実験、利点と課題 高額転売問題の救世主になるか?

碧山緒里摩

リストバンド(ウェアラブル型電子チケット)を手にポーズを決めるこどもたち 【碧山緒里摩】

「新しいことにどんどんチャレンジしていく、ガンバ大阪のそういう姿勢は誇りやね」

 11月24日、パナソニックスタジアム吹田でのホーム最終戦に駆けつけたサポーターははにかみながらも、ちょっぴり胸を張った。J1リーグ第33節、V・ファーレン長崎を2−1で下し、リーグ戦9連勝を飾ったG大阪イレブンの話ではない。

 この日はパナソニックスタジアム吹田で、チケッティングを電子化する実証実験が行われた。スタジアムでの体験価値向上を目指すことが目的だ。

電子チケットがもたらすサービスの可能性とは

 正式にはスタジアムサービスプラットフォーム実証実験という。ホーム最終戦で紙チケットを持つホーム側来場者に非接触型ICカードを装着するリストバンド(ウェアラブル型電子チケット)が無償提供された。

 その数1万5000人。それに加えて年間パスポートホルダーのnanacoカード利用者が5500人、年間パスのQRチケット利用者が1000人、スマホによるQRチケット購入者が8500人という3万人規模で先進的な実証実験が実施された。

 来場者は入場ゲートでの認証、ショップなどでのキャッシュレス決済、スポンサー企業のクーポン発行やスタジアム周辺の店舗の各種サービスとの連携など、多くのアクティビティサービスを体験したのだった。

 この実証実験はパナソニックとぴあが大日本印刷、三井住友カードと共同で取り組むもの。パナソニック・大橋健司主幹が「今回はチケッティングの電子化がもたらすサービスの可能性を確認するものです」と説明すれば、ぴあ・大下本直人部長は「これまでのようにチケットを購入、発券、入場するだけではなく、スタジアム内での行動もデータ化し、観戦後にもアプローチが可能になります」と言及した。

来場者は時間短縮、運営側は業務軽減というメリットが

今回はゲート認証端末タフブックFZ−N1を100台利用。酷暑や大雨など過酷な環境でも対応可能とのこと 【碧山緒里摩】

 ではチケッティングの電子化によって、どのように入場が変わるのか。小型のICカードを装着したリストバンドを腕にはめたファン・サポーターはゲート認証端末「タフブックFZ−N1」にタッチし、入場。これでおしまい。券面確認やもぎりはなく、スムーズにスタジアムの中へ入ることができる。

 2次ゲートでもスタッフが端末を携帯しているため、飲み物や食べ物を持ちながらチケットを出す手間はない。また再入場ゲートで手の甲にスタンプを押し、ブラックライトでの確認することも必要なくなった(一部ゲートではスタンプで運用)。来場者は時間短縮、運営側は業務軽減というそれぞれのメリットが享受できるというわけだ。

 サッカーチームのコーチ、チームメートとともに観戦に訪れた小学生たちは「楽々」「(紙チケットではなく)次からは絶対こっち」「トイレに行く時、チケットを持ち忘れる心配がなくなった」と口々に大歓迎の様子。入場ゲートを担当する係員も「最初はお客さんも電子チケットに慣れずに少し詰まったりしていましたが、前の人のやり方を見たりして、徐々にスムーズになっていきました。普段の入場より円滑に進んでいるように思います」と変化を感じていた。

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